歯科医師らで構成する「ドライマウス研究会」のホームページによると、ドライマウスの患者は日本中で約3000万人もいると推定されており、人口に占める患者の割合は、年々増加傾向にあるらしい。欧米の学術調査では、人口の約25%がドライマウスだというから驚く。なぜこんなにも、唾液の分泌量が少ない人が増えているのだろう。

 大きな理由は、「噛まない食べ物」を好む人が増えたことと、食事にかける時間が短くなったことにあるという。日本人が一日の食事中に噛む回数は、戦前の1400回から、現在は600回に激減したと言われている。また、1日のうちで食事にかける時間も、現在は30分以下となり、かなり短くなったらしい。簡単に言うと、「柔らかいものばっかり食べていてはいけない」し、「早食いはドライマウスのもと」なのである。

 唾液は、「噛む」という刺激が脳に伝わることで分泌される。噛まなくなり、噛む筋肉が衰えると唾液は出にくくなる。

「もっと、噛みごたえのある食べ物を、時間をかけて、よく噛んで食べるようにしないとね」

 柔らかくて食べやすい、“ふわっとろ”の食べ物が大好きな2人だったが、これからは、玄米ご飯、アタリメや生キャベツなど、しっかり噛む食事を、時間をかけて味わって食べたいと思っている。

 加えて、安祐美さんのその後の「研究」によると、ドライマウスを発症した女性は、膣が乾き性交痛を起こすことが多いらしい。全身は繋がっているのだから、口の中が乾けば「あそこ」も乾くのは当然のような気がする。

 (私の人生も枯れて行く季節に入ったのかしら……)

 ドライマウスの方は2ヵ月ほどで改善したものの、加齢の悲哀をひしひしと感じている安祐美さんだった。