血栓症4タイプ
突然気を失ったり、息苦しくなる

●入院中にも起こる血栓症
 Aさんは40代女性。20代はスタイルが良かったのですが、30代以降はかなり太ってしまいました。脂っこいものが好きでしたが、それを食べると特にみぞおちから脇腹が痛くなるのが不安でした。
 先日、その痛みが増してきたので検査を受けたところ、胆石があることが判明。痛みを伴う胆石症は重症化のリスクがあり、将来胆嚢(のう)がんを発症する可能性もあることから、Aさんは早速治療を受けることにしました。
 胆石の治療は、今や腹部を大きく切開しない腹腔鏡手術で行われ、日帰りか数日間の入院治療で済みます。手術は1時間くらいで終わりました。全身麻酔だったため一晩ベッド上での安静が義務付けられ食事も止められました。
 翌日目を覚ました時には創部の痛みもなく気分も非常に良かったので、担当医の許可を得て早速ベッドから起き上がってトイレに向かいました。悲劇はその直後に起こりました。
 トイレで用を済ませ、病室に歩いて戻る途中でAさんは突然バタンと倒れ意識を失ってしまったのです。病院内だったので看護師、医師がかけつけて、対応しましたが、その時Aさんは意識が全くなく心肺停止の状態でした。緊急蘇生処置が開始され、Aさんは危うく命を取り留めました。
●旅行中に起きた血栓症
 Bさんはサッカー選手でした。海外遠征から帰る機内では食事を摂らずに眠ることにしました。連日体を酷使して疲労困憊だったBさんは搭乗直後から深い眠りについたのです。
 目を覚ましたのは、成田空港到着15分前でした。多少のどが渇いていましたが着陸態勢に入っていたため座席から離れることはできませんでした。無事着陸後、飛行機から降りるために席を立ち、出口に向かって何歩か歩きだしたところ、突然息苦しくなったのです。
 意識も朦朧としてきました。客室乗務員が異常に気づきBさんを介助しましたが、冷や汗が溢れ、呼吸困難が悪化してきました。歩行することができないため、救急車が要請されストレッチャーに乗せられて空港近隣の救急病院に搬送されました。