さっきまで元気だった人が
突然死する可能性も

 血栓症の怖いところは、いずれのタイプの血栓症であっても、「つい先ほどまで普通に生活していた人が急変して場合によっては命を落とすことがある」点です。まさに、突然大きな事故に遭ったかのように、平穏な日常が忽然と奪われるのです。たまたま医療機関内で発症して、これ以上ないほどに迅速に適切な治療が施されても救命できない場合もある、非常に恐ろしい病気です。

 その治療法は日々進化しているものの、血栓症は一旦発症したら突然死のリスクがあるので、予防に勝る対処法はありません。

 血栓症は、AさんやBさんの(1)誰にでも発症し得るもの、Cさんの(2)生活習慣病が原因となるもの、そしてDさんの(3)加齢と共に発症しやすくなるもの、の3つのタイプに大別され、それぞれ予防法が異なります。

(1)のタイプ:肺血栓性塞栓症の予防

 これは、下肢の深部静脈にできた血栓が飛んで肺動脈を詰まらせることによって生じる
ものなので、下肢に血栓が発生しないようにしなければいけません。

 脱水になったり血液の流れが滞ると血栓ができやすくなるので、予防法としては水分の補充をしっかりと行う、下肢の筋肉を適宜動かす、座りっぱなしや立ちっぱなしを余儀なくされる際には足に適度な圧力のかかる弾性ストッキングを着用するなどが肝要です。

 罹患人口が多い下肢静脈瘤も血流の鬱滞(うったい)を促しますので、下肢静脈瘤は早期に治療をしておくことが大切です。