画像は東南アジア・フィリピンにいる「ビジネスパートナー」から送られてきたものだという。

「ここで砂金が取れるんですよ。いくらか僕も投資して、何人かの人間を現地に派遣して本格的に採掘を始めたんです」

 実はフィリピンは、世界でも有数の金産出国として知られる。

 アメリカ地質調査所(USGS)の調査では、同国は2014年に約18トンの金を産出。その市場価値は7億米ドル超にものぼるとされる。

 フィリピンでは、非鉄製錬大手の住友金属鉱山や、総合商社の三井物産、双日など国内外の複数の企業が金鉱開発に参入している。しかし、大部分はそうした大手資本の傘下にない中・小規模金鉱だ。男が投資したのも、フィリピン南端ミンダナオ島のある集落にある小規模金鉱の一つだ。

 A氏は言う。

「作業小屋を建てて、現地で雇った作業員に採掘させている」

 全就労人口の実に3割を農林水産業が占めるなど、産業に乏しいフィリピンでは、こうした小規模金鉱が無数に存在する。多くの現地住民が日銭を稼ぐために、地下鉱山での陥落事故や、採掘で使われる水銀による健康被害など、危険が伴う作業に従事している。

 ある統計では、フィリピン国内で20万〜30万人が、こうした小規模金鉱の労働に従事しているとされている。子どもも含めて村人のほとんどが金採掘を行う村落まである。

 小規模金鉱で産出される金は、フィリピン中央銀行が買い付けて輸出しているが、その総量に関する正確な統計は発表されていない。つまり、表に表れない金の多くが国外に密輸されているというわけだ。