リフォーム詐欺を入り口に
相続や遺産整理で数百万円請求

 だが、現在はビジネスルックに身をつつみ、バッグから何枚もの名刺を取り出した。テーブルに並ぶ肩書きは、リフォーム会社、遺品整理業務、終活コンサルティングなどなど。これらはグループ会社の名刺ではなく、それぞれ別の会社の名前が記されていた。

「リフォーム会社以外は、ぶっちゃけペーパーカンパニー。“もしもし”の時と同じように10人くらいでやっているんだけど、従業員もみんな同じように何枚も別の名刺を持っている。“劇場型”でやるためにね」

 日頃、A氏のグループが活動を行うのは、一戸建てが立ち並ぶ郊外の住宅街。築浅物件の前を足早に通り過ぎ、築数十年は経っているような、いかにもくたびれた一戸建てのインターフォンを押す。

「お家の中を見せていただけませんか?」

 リフォーム業者として、屋根裏など家の中を調査をし、「土台が腐っている」「耐震補強をしないと東海沖地震で全壊する」などと家主に信じ込ませて工事を行う、いわゆる「リフォーム詐欺」の手口だ。

 だが、A氏たちの本当の目的はそこにはないのだという。

「俺たちは、むしろリフォームはただの“入り口”っていう考え。リフォームでだまされやすい人間だと分かったら、今度は遺品コンサルティングの名刺を持った人間がインターフォンを押して、『終活をしませんか?』って生前整理の営業をかける。宝石や希少品なんかを買い叩いて、裏で高額で流したりもするし、遺品だけじゃなくて土地とか遺産の整理なんかも勧めるね」

 彼らは、「死後の相続トラブルの防止になるし、相続税が安くなる」と高齢者を丸め込み、「相続税の申告」や「遺産整理費用」として数百万円を請求するという。