潜在的死者は膨大な数に?
高齢者に多い「誤嚥」

 ところで溺死というと、水泳プールを想像する向きも多いだろう。しかし、16年の水泳プールでの溺死者数は10人で、家庭内の風呂の100分の1にも満たない。プールでの溺死者を年齢別で見ると、4歳までが3人いるが、60歳以上が5人。小中高生の年齢層はゼロである。学校のプールは想像以上に安全だ。

 一方、窒息のうち、誤嚥による気道の閉塞は、食物の誤嚥が4870人、胃内容物の誤嚥が1429人、物体の誤嚥が817人で、それらを足した、「ノドに何かを詰まらせた」死因の総数は7116人に上る。

 東京消防庁が18年の正月に発表したところによると、東京消防庁管内で元日に餅を喉につまらせて救急搬送された人が15人、死亡が2人、重体が7人。別に、高齢者(70歳以上)の肺炎患者の7割以上が誤嚥性という報告もある。単純に70歳以上の肺炎による死者数10万6675人の7割にあたる7万人を誤嚥が原因の死亡とすると、広い意味での誤嚥による死者は8万人近くになる計算になる。

 交通死亡事故は、どういう状態で起きているのだろうか。その内訳は以下の通りである。

歩行者1871人(男1057人、女814人)
自転車乗員706人(男476人、女237人)
オートバイ乗員765人(男669人、女96人)
乗用車乗員1179人(男808人、女371人)
農業用特殊車両乗員110人(男102人、女8人))

 それぞれの保有台数を調べると、二輪車が1122万台、乗用車6176万台、自転車保有台数(2013年の推計値)7155万台。これを元に保有台数に対する死亡者割合を算出すると、オートバイ0.68(保有1万台当たり、以下同)、乗用車0.19、自転車0.1で、オートバイが圧倒的に危険だといえる。特に男性の死亡者比率の高さは驚くほどだ。

 一方で歩行者の死因を作った車両は 自転車10人(男6人、女4人)、オートバイ(3輪含む)41人(男25人、女16人)、乗用車1407人(男744人、女663人)。計算するまでもなく、歩行者にとって圧倒的に危険なのは乗用車だ。