「近所の畑から、青虫を50匹くらい取ってきて育てていました。でも、サナギから蜂が湧いてしまって、蝶にはならなくて。図鑑で調べながらトライアンドエラーを繰り返し、ようやく卵の状態で取ってくるか、成虫に卵を産ませて孵化させるという方法にたどり着きました。畑の青虫にはもう寄生虫がいるので、卵のうちから育てないとだめだったんです」

Photo by Y.K

 試行錯誤をしながら黙々と取り組み、目標を達成していく──。それが幼い頃の遊び方だった。パソコンに初めて触れたのは6歳の時。シャープ製のノートパソコン「メビウス」を父から譲り受けたが、故障してインターネットに接続することができない代物だった。それでも、ワードやエクセルにのめり込み、それらをマスターした山内がはまったのが、コマ撮りアニメの制作だった。

 NHKで放送されていた粘土で作るクレイアニメ『ニャッキ!』の舞台裏を紹介する番組を見たのがきっかけ。撮影方法を学び、粘土で作った木が育っていく様子を撮影してアニメにした。そのコマ数、実に3万以上。ワンシーンごとに木が育つ様子を粘土で成形しながら、撮影を進めていった。制作には編集ソフトが必要だったが、2年分の誕生日プレゼントを両親から"前借りで調達"した。

「パソコンの中に入っていたソフトは遊びつくしちゃったので、後は自分で楽しいことを作るしかなかったんですよね。インターネットが使えたらYouTubeなどを見ていたかもしれませんが、パソコンがネットに繋がらず、見ることができなかったので。もし普通にネットを見てYouTube見ていたら、こんな風にはなっていなかったかもしれませんね」

図書館で出合った
プログラミングの本にのめり込む

 プログラミングに出合ったのは、偶然だった。図書館でアニメ制作関連の本を見ていたところ、隣の棚にあったプログラミングのコーナーが目に留まったのだ。その中から、一番簡単そうに見えた「C++」の本を借りた。