そこを補えるのが日本人講師の強みです。彼らは日本人的な発音のクセを知っていますから、そこを見逃さずに的確な“ツッコミ”を入れることができます。生徒の年齢にもよりますが、舌の位置を図示したり、発音記号を用いたりすれば、子どもたちもすばやく軌道修正ができます。この場合のように、日本人から日本語で説明されたほうが、単純に効率的なことがだんだん増えてきます。「英語のまま理解」に加えて、「日本語での理解」も組み合わせましょう。
デジタル機器をフル活用する
「LINEいじめ」とか「個人情報流出」のリスクが騒がれることもあって、スマートフォンやタブレットといったデジタルデバイスを子どもに与えることに、ネガティブなイメージを持っている親御さんも少なくないでしょう。
しかし、語学学習についていえば、これらのツールを使わない選択肢はあり得ません。映像・音声・文字を自在に出力できるデバイスは、SLAの発想を活かした学習法とも相性がよく、避けるべき理由がほとんどないのです。
子どもに英語をマスターさせたければ、親の世代の学習イメージを「Unlearn」することが第一歩。もはや「机に向かって、教科書とノートを開く」だけが英語の勉強ではないのです。
ソファにリラックスして座りながら、タブレットで発音練習をしてもよし。好きなアニメのキャラクターの英語動画を観て、セリフを真似るもよし。寝転びながらピクチャーディクショナリーを眺めるだけでも、子どもの英語力は伸びていきます。
ケガをするかもしれないからといって、料理で包丁を使わないというわけにはなかなかいきません。道具は結局、使う人次第です。子どもが安心して学習できるよう、セキュリティ環境などを整えたうえで、デジタルデバイスは積極的に取り入れていくべきでしょう。
※注:本記事の内容は『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋・再構成したものです。記事中の参照文献・おすすめ教材などは、こちらのサポートページでご確認いただけます。
「世界最高の子ども英語」専用サポートページ
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J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大合格者も多数出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
主な著書に、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)のほか、10万部超のベストセラーとなった『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)、また、研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。