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KEY PERSON interview

CFOがCIOを兼ねる東京ガス
「ITは付加価値を上げるもの。コスト削減で捉えるのはCFOの視点で見ても間違い」

【第8回】 2012年1月19日
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 これを教訓にし、今では開発や運用担当者、ユーザー、財務部門などの関係部署が共同で、要件定義から開発、稼動までの要所ごとに、厳しくプロセスを管理する仕組みを徹底しました。稼動後には、当初期待していた効果が出ているかを検証するので、ユーザー側にも責任が出てきます。今はこのプロセスがかなりうまく回っています。

顧客サービスのIT活用は遅れている

――先ほど、「付加価値を生むためのIT投資はすべき」とのお話がありましたが、具体的にはどのような構想をお持ちですか?

 主要なインフラ産業の、お客様サービスにおけるIT活用を見ると、電話や携帯電話などの通信系は比較的進んでいる印象がありますが、東京ガスは非常に遅れている。いまだに「紙・電話・対面」が中心です。

 ガスの使用量はスタッフが検針して紙の伝票でお知らせしますし、修理などのやり取りも電話や対面が中心。しかし最近は不在率が高く、効率が悪いばかりでなく、お客様にとっても不便です。

 業務でのIT活用は進んでいますが、お客様とのコミュニケーションではまだ十分に活用できていない。当社の場合はまだ「IT(情報技術)」であって「ICT(情報コミュニケーション技術)」ではありません。

 これからは、インターネットの活用により「データ・通信・非対面」の要素を急速に取り入れていかなくてはなりません。また、使用量の検針も通信を使って自動的に行い、電子メールやホームページでお客様が自由に確認できるようにすべき。また、一部では有料で行っていますが、外出先から携帯電話などを使って自宅のガスを切ったりすることも、将来は当たり前になるでしょう。

 今は、普段のお客様とのコミュニケーション手段は、ガス料金のお知らせ伝票くらいです。インターネットの双方向性を利用して、もっと積極的に情報を発信したり、お客様の声を聞かなくてはダメだと感じています。

――こうした、顧客満足度を高めるための投資は、どれくらいが適正なのか、どのように見極めていますか?

 非常に見極めは難しいですね。お客様サービス向上のための投資は、「しないと利用者が減ってしまう」という前提で考えるべきでしょう。他の業界の場合は、競争の中で自然に適正なレベルが決まっていくのでしょうが、私たちの場合はサービスを向上すればすぐにお客様が増え、ガスが売れるというものでもありません。過剰サービスを指して「おんぶにだっこに頬ずり」という言い方がありますが、そうなってもいけない。

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