また、女性が更年期以降に気が強くなるのは、男性ホルモンが優位になるためと考えられています。近年、更年期に女性ホルモンだけでなく、男性ホルモンを補充する女性も多くなってきました。

 一方、男性は50歳を過ぎると男性ホルモンが減少し、女性ホルモンの割合が増えてきます。男性が年齢を重ねることで角が取れたり、還暦後、夫婦の力関係が変わってきたりするのには、このような医学的背景があります。

必要なのは睡眠・食事・運動

 テストステロンの分泌を増やすにはどうすればよいでしょうか。

 まずは、良質の睡眠をとりましょう。テストステロンと、体内環境を保つ役割を持つ「自律神経」には深い関係があります。自律神経には緊張や興奮などをつかさどる「交感神経」と休息やリラックスなどをつかさどる「副交感神経」がありますが、このうち副交感神経が優位になるとテストステロンの分泌量が増えます。良質な睡眠がテストステロンの産生を促すのです。

 食事も大切です。タマネギやニンニクなどに含まれる硫化アリル・システインという成分はテストステロンの産生を増進します。調理の際には細胞を壊さないよう、皮をむかずそのまま電子レンジで加熱し、スライスして食べましょう。牡蠣(かき)もテストステロン産生に必要な亜鉛を含んでいます。肉類、卵、乳製品などのたんぱく質もしっかり摂取しましょう。最後に重要なのは運動です。脳や筋肉に働きかけ、テストステロンの産生を増強させる効果があります。

 ただし、すでに長期間にわたりテストステロン値低下の状態が続き、「やる気が出ない」「のぼせる」「眠れない」などの症状が特徴の「更年期障害」や「熟年期障害」に該当する人には、治療が必要となります。その治療については次回ご説明します。

(取材・構成/ライター 東竜子)

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