島内で苗木を徹底捜索!
DNA鑑定を経て発見へ

 一度は消えたブルボンポワントゥだが、その味は様々な文献に残されており、コーヒー研究者や専門家たちの間では「絶滅した幻のコーヒー」「最高の豆はレユニオンのもの」と伝説になっていた。

伝説のコーヒー豆が150g1万2000円でも毎年完売する理由真っ赤なコーヒーチェリーはすべて手摘み。その後の選別や乾燥など、すべての作業は手でおこなわれる

「コーヒーについて学ぶと、至るところで『レユニオン島のブルボンポワントゥ』の名前を目にするんです。しかし、世界中のどこでも生産されていなかった。こうした文献を目にしていた当社の社員がブルボンポワントゥを復活させたい、という夢を抱いて再生プロジェクトを立ち上げました」

 1999年、UCCのプロジェクトチームはレユニオン島を訪問し、ブルボンポワントゥの調査を開始したが、最初は、レユニオン島を管轄する県庁職員ですら「この島でコーヒーが生産できるの?」という反応だったとか。

「ブルボンポワントゥがコーヒーの歴史において重要な品種であることを県庁の方に伝えました。そのかいあってか、2002年にはフランス政府、県庁から約3億円の資金援助が決定し、本格的に再生プロジェクトが始まったのです」(同)

伝説のコーヒー豆が150g1万2000円でも毎年完売する理由ブルボンポワントゥ農園の組合メンバー。とても繊細で育てにくい品種であるため、細心の注意を払って栽培されている

 まず取り掛かったのは、コーヒー栽培に不可欠な『マザーツリー』の選定。島内放送でブルボンポワントゥの情報を収集したところ、1000件以上の情報が寄せられ、DNA鑑定を経て最終的に4本にまで絞った。このマザーツリーから苗木を作り、島民の中から農家を募集し、2003年には106の農家でブルボンポワントゥの試験栽培が開始された。

「苗木を植えてから収穫までは3年かかります。ブルボンポワントゥは育成がとても難しい品種で、木と相性がいい土壌は島内でも2種類しかなかったり、豆同様、葉のカフェイン量も少ないので害虫被害に遭いやすかったりと、とても繊細で育てにくい。また、収穫量も通常品種の半分以下しかないことも、価格の高さにつながっています」

 3年かけて収穫しても、すべての豆が高評価とは限らないため、豆の品質のチェックも厳しくおこなっているという。