赤身肉も霜降りもエサ次第
肉質作りも「日本品質」!

和牛・養殖魚の輸出急増!秘訣は日本の「エサ」技術にあり最近の和牛は、脂身の多い霜降り肉を食べても胸焼けがしにくくなっている。これもエサの工夫によるものだ

 肉の市場でも日本産は人気だ。アメリカやオーストラリアの牛肉は、広い牧草地で勝手に育つ草を食べて成長するからコストが安い。一方、日本の畜産業者は、日本人好みの柔らかい「霜降り」の和牛をつくりだす技術を蓄積した。フィード・ワン、畜産飼料部の石井順一郎氏が話す。

「欧米では肉が主食がわりになる食事も多いため、霜降り肉を大量に食べると、少し胃にもたれるかもしれません。一方、日本はおかずとして食べる場合が多く、柔らかい霜降りが好まれています」

 ここでも「エサ」は重要な役割を果たしている。牛は、青みがある草などに多く含まれるβカロテンを摂ると脂肪がつきにくくなる。一方、ビタミンB群の一種やビタミンCを摂ると、肉に脂肪がよくつく。もちろん、これらの知見は配合飼料に取り入れられている。しかも石井氏によれば、エサによりこんな変化も…。

「最近、脂身が多い霜降りを食べても胸焼けしにくくなっているんですよ。高級肉を室温で置いておくと、表面がうっすらとろけませんか?これは、牛脂の融点が低くなったからで、食べても胃にもたれにくいんです」

 これは、米の油分を含む米ぬかなどを与えることで実現できる。オレイン酸が含まれており、これが脂になるから、融点が低くなるのだという。

 ちなみに、栄養源は何でもいいわけではない。

「配合飼料の値段が高くなると、肉や魚の価格も高騰し、経済合理性がなくなってしまいます。そこで、大豆油の絞りかすや米ぬかなど、極力、人間が食べないものを使うんです。ほかには、りんごジュースの絞りかすを与えると、りんごの皮に含まれるペクチンなどが作用し、家畜のおなかの調子を整えることができるんですよ」

 同社は現在、セブン-イレブン・ジャパンの期限切れ弁当も飼料に加工してリサイクルしている。また日清オイリオグループによれば「大豆や菜種の油を絞ったものを飼料の原料として買ってもらえるから、油を安価で提供できています」とのこと。「エサ」は人間の食べ物を安価にもしていたのだ。