1996年の値を100とすると、2016年の米国の実質GDPは157(年率2.28%)、ダウ工業株30種平均は306(年率5.75%)である。これに対して日本の実質GDPは116(年率0.74%)で日経平均は99(年率-0.05%)である。

 極めて当たり前のことだが、実体経済の成長のないところに株価の成長もないのである。

 仮に政府が昨年末に発表した今年の実質GDP成長率見通し1.8%が実現し、今後も中長期的に同様の成長があると信じたとしても、日米の実質GDPと株価の歴史的因果関係から見て、日経平均がそれを覆して米国のように年率5%以上で成長していくとはとても思えない。

 以上が、マクロの観点からの議論である。

長期の投資家の視点は
企業の「本源的価値」

 次に投資家が個別銘柄を見るミクロの観点から見てみる。

 長期の投資家にとって、企業価値や株価を決定付けるベースは対象企業の「本源的価値」でしかない。

 M&Aにおける値決めもベースは本源的価値であり、そこからプラス、マイナスの調整をしているに過ぎない。
       
 では、その本源的価値とは何か。

 それは、その企業が現在から将来にわたって生み出すキャッシュフローの現在価値の合計額である。Discounted Cash Flow(DCF)価値とも言われる。

 現在価値を計算するための割引率は、その企業の資本コスト、所謂Cost of Capitalであり、株主投資家から見れば、物価の変動分なども勘案した投資に対する期待利回りでもある。

 要するに、どんな企業も債券と同じく将来にわたってキャッシュを生み出す「キャッシュマシン」だと見做すと、その価値評価は、その企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの合計を、現在価値に評価したものになるということだ。