昨年夏以降、米ドル/円は「異常」とも思えるような小動きが延々と続いています。
ただ、これまでに「前例」がまったくなかったわけではないようです。その異常な小動きの「前例」を調べると、2月で終わって大波乱に向かっていたのですが、果たして今回はどうでしょうか?
脱・小動きの「Xデー」はいつなのか?
まずは「資料1」をご覧ください。昨年7月頃から半年間にわたり、米ドル/円は76~78円を中心とした非常に狭いレンジでの小動きが延々と続いています。
ところで、過去にも同じように、2~3円の狭いレンジでの小動きが半年以上も続いた例がありました。
「資料2」をご覧ください。それは1994年後半から1995年初めにかけてだったのですが、最近の「異常」とも思えるような小動きは、決して前例のないものではなかったのです。
その1994年後半から1995年初めにかけての「異常な小動き」がその後どうなったのかを調べると、年が明けた頃からにわかにレンジ・ブレイクをトライする動きが見られ始め、2月に入ってついにレンジの下限を完全に割り込んで「大波乱」となったのです。
この過去の似たケースを参考にすると、今回も、延々と半年も続いてきた「異常な小動き」からの突破をトライする動きが、年明けをきっかけに見られ始めていますので、いよいよ、それが本格的に動意づくのか、その可能性が注目されるところでしょう。
「脱・小動き」になるとして、
方向は米ドル安? 米ドル高?
ところで、「脱・小動き」となる場合、それは米ドル安でしょうか? それとも、米ドル高でしょうか?
「資料3」は円のポジションですが、これを見ると、投機筋はかなり円買い・米ドル売りに傾斜した状況にあるようです。その意味では、本来的に、円買い・米ドル売りがさらに拡大するには限界があると思います。
また、日本政府・日銀は昨年、単独で3回の円高阻止介入を行いましたが、それは市場が円買い・米ドル売りに大きく傾斜し、さらなる円買い・米ドル売りに限界がありそうな状況を狙うというのが基本のようでした。
そういった日本の円高阻止介入に対して、欧米諸国はこのところ、批判的な立場を明確にしています。したがって、介入を続けられるかが1つのカギになるでしょう。
ただ、野田政権は、国会で現在審議中の第4次補正予算で、そのような欧米からの介入批判の中でも、さらなる介入資金枠の拡大を盛り込んでいます。これは、国内で反発の強い消費税増税法案を成立させるまでは、単独でも円一段高回避を続ける準備とみることもできま
(記事の続きを読む)