しかし、財政政策によって景気がより強くなり、財政赤字も増える可能性が高まると、少なくとも金利は、以前の想定よりも高めに推移することになります。金利水準がどの程度まで上がるのか、どういった上がり方をするのかは、金融市場にとっての懸念となります。結果として市場の変動は、これまでよりも大きめに推移すると考えた方がよさそうです。

 最終的に政策金利や長期金利の水準を決めるのはインフレです。まだエコノミストの間でも見方は固まっていませんが、昨今のAIやビッグデータなどを活用した新しい情報技術の活用によってインフレ率が上がらなければ、あるいは上がったとしても度合いが抑制されるのであれば、長期金利はあまり上がらずに、金融市場全体も落ち着いた動きを見せると思われます。

 なお、3月1日には、個人所得や支出と個人消費支出デフレーターが発表されます。個人消費支出デフレーターは、GDPを構成する消費活動全般にかかる物価上昇を表すもので、CPI(消費者物価指数)とともに、米国のインフレを表す代表的な指標です。

 前回発表された12月分は前年同月比で1.7%上昇しました。FRBのインフレ目標は2%ですから、今回発表される1月分でも同じような数値が出れば、市場に対する影響はほとんどないと見込まれます。

 市場のコンセンサス予想は12月と同じ、前年同月比1.7%増となっています。三井住友アセットマネジメント調査部も前回に近い、比較的落ち着いた数値になると見込んでいます。

(三井住友アセットマネジメント 調査部長 渡辺英茂)