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気はやさしくて胃痛持ち
【第3回】 2012年2月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
市川純子 [(財)日本ヘルスケアニュートリケア研究所]

上司の指示でツイッターをはじめ、
スマホから目が離せなくなったマーケッター

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 しかし、母はいろんなメーカーのアンチエージング化粧品を使っているにも関わらず、年相応の肌をしている。夜中に見る母の目の下にはハリが確実に無くなってきている。シミやクスミも増えてきた。そのことがとても気になるFさんだった。

ツイッターデビュー前には猛勉強
起きている間はスマホが手放せない

 ツイッターネーム「キング」として発言をする前に、Fさんは数ヵ月にわたり、猛烈に勉強した。専門書が充実している書店に行ってスキンケアの本を買いこんだ。皮膚科医の書いている本を読み漁り、その他、薬事法などの法律も勉強した。

 ツイッターとはいえ、メーカーの人間として答える以上、表現などに注意しなければいけない。「肌がすぐ白くなる」などは消費者に誤解を与えることにつながる。

 自分の発言に細心の注意を払えるようになったFさんは、ようやくツイッターデビューを迎えた。

 企業の立場からは、ツイッターでマイナス意見が盛り上がることがリスクだと思っていたが、始めてみると意外に、マイナス意見はない。主に、ユーザー同士の意見交換が多いので、そんなときは静観していればいい。

 しかし「キング教えて?」という商品に関する問い合わせはいつくるかわからない。四六時中見ていないと、うっかり見逃してしまうかもしれない。質問に答えれば「キングきたーーーーーー」と書き込まれる。

 起きている間はずっと続く。通勤中も、ベッドの中でもツイートを読む。スマートフォンを速く打つためには両手が必要。そのためにFさんは通勤のカバンをショルダータイプに変えた。心なしか左手の指がスマートフォンと一体化しているような気がしてきた。

 社長に言われた。「F君いいね。キングが板についてきたよ。でも今の2倍書き込んでもらえるように工夫して」

 もともとは商品開発の参考にするために始めたツイッターだが、今はまったく商品開発をする時間もない。それを考えると胃痛が始まり、胃薬に手を伸ばすFさんだった。

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市川純子 [(財)日本ヘルスケアニュートリケア研究所]

1961年生まれ。財団法人日本ヘルスケアニュートリケア研究所 所長。広告代理店で大手私鉄の広報を担当。その後PR会社に転職し、医薬品や化粧品分野に携わる。2003 年にJ&Tプランニングを設立。代表取締役に就任。研究や情報の開発も行いヒット商品を数多く手がける。医療健康美容分野の研究のために2010年財団を設立。


気はやさしくて胃痛持ち

失われた20年と呼ばれる日本経済。そんな長い停滞のなかをがむしゃらに、ひたむきに日々の仕事・生活を生きてきたビジネスマンたち。さまざまなストレスに耐えてきたカラダもそろそろ注意信号を出す頃。いろんな職場のいろんなビジネスマンのいろんな悩みと不調を少し悲しく少しおかしく紹介します。

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