日本は、移民に通じる単純労働者の受け入れを認めていない。だが、技能実習生や留学生として事実上の単純労働者が急増しているのが実態である。

 留学生は、法務省の就労分類では「資格外活動」と表記される。全体の2割強に達しているのに、「資格外」としか命名できない。「裏口入学」に近い扱いである。

 全国的に製造現場や農漁業、それに外食産業、小売業などでは単純労働を外国人に頼らざるを得ない。コンビニや居酒屋で働く留学生の姿は、街の普通の光景になっている。レタス栽培で著名な長野県川上村では、夏場の収穫時には人口の4分の1が技能実習生の外国人になるという。こうした現実を政府も百も承知の上で、移民にならない「抜け道」を探し、そのパイプを太くする作戦を取り出した。

「専門的・技術的分野の在留資格者」として介護福祉士を追加

 その第1弾、三段跳びのホップにあたるのが、昨年9月に「専門的・技術的分野の在留資格者」として介護福祉士を新たに加えたことだ。経済財政諮問会議で安倍首相が指示したルートである。「産業及び国民生活等に与える影響」を総合的に勘案して個々の職種毎に決められる。

「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」の14業種である。国際業務として英会話学校の語学教師、技能として建築家やパイロットが該当する。医療では、医師や看護師、薬剤師、それに作業療法士、理学療法士も含まれる。

 入国管理難民認定法の改定により介護福祉士が新たに認められることになり、介護が急に「格上げ」され医療と並んだ。介護福祉士を養成する日本の大学や専門学校に通った留学生が卒業して資格を取得すれば、日本の介護現場でずっと働くことができる。「留学」から「介護」に在留資格を変えられる。在留期間は5年だが、問題がなければ無制限で更新できる。

 次のステップにあたるのが、メディアで大きく報道されたように、技能実習生の枠内に介護職が入ったことだ。11月1日から実施された。それまでは、農漁業や建設、食品、繊維工場など74の職種に限定されていた。今年中に介護の実習生が来日する。

 技能実習制度は日本の先進的で高度な産業技術を発展途上国に移転するのが目的で1993年に始められた。1次、2次産業だけだったが、初めて対人サービス業が加わった。「先進的」な技術がなければ対象職種になれず、「介護はそのレベルではない」とされてきたのに、一変した。