急に「先進的」な職種に浮上してしまったのは、「人手不足の解消」という本音が全面に出てきたためである。当初からの理念、「途上国の発展に寄与する」が建前に過ぎなかったことがよく分かる。

 介護施設を建てたのに、介護職が集まらないため利用者に使ってもらえないケースが頻発している。技能実習制度の導入が決まって以降、企業や社会福祉法人が一斉にアジア諸国に触手を伸ばしだした。

 かつては「外国人は日本の介護現場に馴染み難い。言葉や食生活、宗教などの違いが大きく、高齢者には抵抗がある。何よりも、低賃金構造がより進んで、日本人介護職がますますいつかなくなる」という声が大勢だった。ところが、状況は大変わりしてきた。

 そして、ジャンプに相当するのが昨年12月8日に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」によるものだ。その「第2章人づくり革命」の9番目に「規制制度改革等」とあり、「介護分野における外国人人材」として、以下の文章となる。

「アジア健康構想の下、介護分野における技能実習や留学中の資格外活動による3年以上の実務経験に加え、実務者研修を受講し、介護福祉士の国家試験に合格した外国人に在留資格(介護)を認めることや、海外における日本語習得環境の整備を通じ、介護分野での外国人人材の受入れに向けた国内外の環境整備を図る」

 つまり、技能実習生が介護福祉士の試験に合格すれば、「在留資格」を認めるというわけだ。在留資格とは、就労の自由が保障されることに通じる。これまでの技能実習生は、滞在中に社会福祉士の資格を取得することはできても、日本に残って働き続けることはできなかった。働くことへのモチベーションが上がることは間違いないだろう。

 画期的な規制改革である。技能実習生がずっと日本に住みながら働き続けることができる。実施時期はまだ決まっていないが、法務省と厚労省が近く判断を下し、年度内には実施されそうだ。

 こうして、わずか4ヵ月の間に介護福祉士が三段跳びで介護現場というフィールドに一気に入ってくる制度改革が進められた。ホップ、ステップ、ジャンプの一つ一つの跳躍がいずれも異例の措置である。しかも三段重ねにしてしまうのは「とんでもない」出来事であろう。