東京メトロの“萌え絵”キャラクターは
何を間違えたのか

 東京メトロのイメージキャラクター「駅乃みちか」が萌え絵化した時も炎上状態となった。駅乃みちかは13年に登場し、もともとはほのぼのした牧歌的なイラストのキャラクターだった。しかし、16年に全国各地の実在する鉄道事業者の現場で働くキャラクターを収録する「鉄道むすめ」の一員として組み込まれると、キャラクターデザインが大きく変化した。頬を赤らめ、身体をくねらせ、体の線が強調されるなど、過剰に性的なイラストに変わっていたのだ。

 本来、いわゆる“萌え絵”だけでは炎上はしない。萌え絵でも過剰に性的でなければ十分受け入れられるし、問題にはならない。「鉄道むすめ」は、萌え絵ばかりだが、他の鉄道会社のキャラクターを見るとパンツ姿の制服など身体のラインが見えない絵が多く、不快感にはつながらない。

 今やSNSが普及し、女性も自分の意見を気軽に発信する時代になっている。しかし女性を取り巻く社会環境は依然、厳しい部分がある。育児は母親だけのワンオペ育児になりやすく、出産したら母親が仕事をやめなければならないなど、家事や育児に父親が参加しない現実などに不満を抱いていることが多い。

 それだけでなく、女性はまだまだ性的に扱われたり、女性だからという理由で仕事や社会で不利益を被ったりした経験に対して怒っている。怒っている現実を映像や画像で具体的に見られることで、自分たちを苦しめる現実や社会や人物などへの怒りを投影させ、炎上につながるというわけだ。

世界の炎上事情
H&Mの黒人少年の写真

 このように、日本では女性ネタがもっとも炎上しやすいテーマの一つとなっている。しかし、国際的には炎上しやすいテーマは異なる。

 たとえば、今年1月、衣料品メーカーH&Mの通販サイトに掲載された商品写真が世界的な炎上を引き起こした。黒人の少年モデルに「ジャングルでもっともクールなサル」と書かれたパーカーを着せていたのだ。しかし、白人少年モデルのパーカーには、「ジャングルのサバイバー」と書かれていた。南アフリカなどで、これが黒人差別だとして複数の店舗が襲撃される事態に発展した。