学生生活を卒業し、春から社会人生活がスタートする新入社員の皆さんに、今知っておくと入社後に大きな差がつく「仕事の基本」を、『入社1年目の教科書』著者の岩瀬大輔氏が解説します。
新入社員に、これだけは守ってほしい3つの原則1は「頼まれたことは、必ずやりきる」。上司が新人求めているのは、優秀さではありません。それより大事なのは、「やり抜く力」。いったいどういうことでしょうか。(まとめ/編集部 初出:2018年3月3日)
優秀かどうかっていうのは、実はどうでもいい
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長
1976年埼玉県生まれ。東京大学法学部を卒業後、ボストン コンサルティング グループ等を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で修了(ベイカー・スカラー)。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。著書は『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)など多数。
(撮影/佐久間ナオヒト)
この記事を読んでくださっている方の中には、来月から社会人生活がスタートする人も多いと思います。そこで、会社に入る前に知っておくといい「3つの原則」についてお話しします。
私が入社1年生対象の講演会などでいつもお話していることですので、社会人何年目かの方はすでに聞いた話かもしれません。そういう方も、改めて「自分は本当にできているだろうか」という視点で読んでいただければうれしく思います。
今回は原則1「頼まれたことは、必ずやりきる」について説明したいと思います。
私自身、新卒で最初に働いた会社で、次の言葉を言われました。
「優秀かどうかっていうのは、実はどうでもいい。頼んだことを必ずやりきるかっていうのが、一番大事なんだよね」
「やる」というのはどういうことなのかというと、「完璧じゃなくていいから、やる」ことなのだと。
「頼んだことを絶対やる人には、次、また仕事が回ってくる。いくら優秀でも、頼んだことをちゃんとやってくれない人には回ってこない」と。頭がいいとか、優秀であることより、要は頼まれたことをやりきるかどうかが大事なんだと。
このひと言は、強く印象に残りました。
実際、自分が仕事をお願いする立場になってみると、よくわかります。
「あれどうなりましたか?」とか「あの件、できた?」などと督促しないとやらない人は、結構います。
上司にせっつかれてから重い腰を上げる、何度も進捗をたずねても「今やろうと思っていました」と言う。心当たりのある人もいるかもしれません。