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創業100年を迎えたパナソニックで
家電事業への再挑戦が始まる

大河原克行
【第169回】 2018年3月6日
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 だが、「これまでの個別に機能を提供する家電に留まらず、個々の家電が連携しながらそれぞれの生活シーン、空間にあわせた新たな体験を提供することが大切になる。家という空間を超えて、コミュニティやソサエティとの連携し、総合家電メーカーであるパナソニックの強みを生かして、生活シーンやライフステージで顧客一人ひとりにあわせた体験およびサービスを提供していく。その実現に向けて、様々な領域のパートナーと連携し、イノベーションを加速することになる」とした。

 たとえば、食生活という観点としては、「食生活をトータルで支援する企業を目指す」とし、キッチン家電をIoTでつなぎ、ユーザーのコンディションを把握しながら、最適なレシピ提案を行い、食材の保管や調理までをシームレスに接続。これらに関わるデータをすべてクラウド上に蓄積し、顧客の状況にあわせて最適なサービス提供が行われるという。

 「時間にゆとりがない平日には、不在時でも食材の受け渡しを可能にする宅配ボックスと、自動調理による料理の負担を最小化によって、忙しい生活サイクルを捉えた提案を行う一方、ゆとりがある休日はこだわり調理を提案し、こだわり食材の調達や、料理のスキルにあわせた提案で、食を通じた非日常の体験をサポートする。一人ひとりにあわせて、食に寄り添い、成長する食のコンシェルジェを目指す」とした。
 ここでは、レシピサービスや食品生産流通、健康管理、宅配・運送事業者などのパートナーとの連携によって、トータルサービスを提供することになるという。

生活と眠りのコラボレーション

 美容と健康の分野でも同様の取り組みを行う考えであり、具体的な取り組みとして、寝具メーカーの西川産業と、睡眠環境をサポートする新たなサービスを共同で開発することを発表した。

 両社の協業では、日中の活動データやくらしのデータ、睡眠データなどから、快眠アルゴリズムを開発し、実証実験を行い、一人ひとりの快適な眠りに寄り添う睡眠関連サービスを提供する。さらに、睡眠を軸にした美容や食、教育といった様々な領域でのサービスの開発につなげる考えだ。

 西川産業の西川八一行社長は、「従来は、睡眠時間は無駄な時間という認識があり、睡眠時間を削って、人生を楽しむという考え方が多かったが、いまは、80年の人生のうち、30年間にものぼる睡眠の時間は、起きている3分の2の時間を輝かせるための充実した時間にすべきという考え方に変わってきている。当社の研究機関では、眠る前の状況や寝具の状況については解明できているが、睡眠に影響にする家のなかの状況や、一日の出来事などについての把握は当社の得意部分ではない。ここに、パナソニックとの協業の狙いがある。新たな『憧れ』を実現することに役立ちたい」とした。

 本間社長は、「モノだけでなく、眠りに関する知見やノウハウは、今後のサービスに生きてくる。睡眠は美容、運動、食、教育といった生活の営みに結びつく。睡眠を軸に様々なパートナーとの協創が広がると考えている」と述べた。

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