――それは健全ですね。
西條 それに誰だって、もっとこうすれば絶対よくなるのに、と思っていることはあるんですよ。それを言わせない雰囲気、言ってもムダだ、面倒くさいことになるだけだ、と思わせる状況になっているから言わないだけなんです。専門用語で言えば、周囲を説得するための「取引コスト」が膨大な組織では、言っても自分が損するだけなので、思っていても言わなくなってしまうんです。
――「取引コスト」と言われると、なんか、多くの大企業はそれでがんじがらめになっている気がします。
西條 衰退している企業の多くは必ず「取引コスト」は膨大になっているはずです。コストという言葉でとらえることで、それを可視化したうえで、「そういうことはどのくらいあると思いますか?」といったアンケートなどを取れば数量化することもできると思うので、関心のある企業は実施してみたらいいと思います。
――それはおもしろいですね。
西條 言葉で「どんどん新しい提案をするように」と言っても、実際にそうした提案をした人がひどい目にあっている姿を一度でも目の当たりにしたら、誰も提案なんてしなくなるんですよ。人間は言葉よりも実際の行動のほうを見ているんです。
――言っていることと、やっていることが全然違うってよくありますよね。
西條 これは決して他人事ではなくて、いつ自分がそういうことをやっているかわからないので、常にそうなっていないか我が身を省みるようにしています。
――なるほど。そうした考え方を身につけているかどうかで、これからの社会で生き残れるかどうかが分かれそうですね。ありがとうございました。
連載第4回目の明日は、著者の専門である、「組織心理学」に迫ります。今週金曜日まで続く「人を助けるすんごい仕組み」の連載をお楽しみに!
『人を助けるすんごい仕組み』刊行記念、緊急セミナーのお知らせ
日 時|2012年3月7日(水)19:00開演(18:30開場 20:30終了予定)
会 場|東京・原宿 ダイヤモンド社9F セミナーホール(東京都渋谷区神宮前6-12-17)
料 金|入場無料(事前登録制)
定 員|60名(先着順)
お問い合わせ先|ダイヤモンド社 書籍編集局 ☎03-5778-7294(担当:中島)
※詳しくは、こちら。
「ふんばろう東日本支援プロジェクト」チャリティイベント
『3.11 縁から絆へ~ずっと忘れない』開催のお知らせ
日 時|2012年3月11日(日)14:30開演(14:00開場)
会 場|ザ・ガーデンホール(恵比寿ガーデンプレイス内)
出 演|トーク:西條剛央、宮本亜門 ライブ:大貫妙子、沖仁、cocoon
料 金|3,900円(全席指定・税込)
予 約|サンライズオンライン
チケットぴあ (Pコード:162-044) 0570-02-9999
ローソンチケット(Lコード:78978) 0570-084-003
CNプレイガイド 0570-08-9999
※ホールロビーにて被災地支援に関する展示や物販を行います(13時~19時、入場無料)
※チケットに関するお問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
※イベントの日時・時間については急な変更等ある場合がございます。詳細は各店にお問い合わせください。
※定員になり次第、チケットの発行を終了させていただきます。
なお、当サイトでのチケット完売のご案内は遅れる場合があります。
チケットの残数については上記へお問い合わせください。
残席がわずかとなっておりますので、いますぐお申し込みください。
【関連サイト】
・ほぼ日刊イトイ新聞「西條剛央さんのその後とこれから」
・ふんばろう東日本支援プロジェクトHP
・本で社会を変えよう!チャリティーブックプロジェクト
・1か月にランチ1回分(1000円)からの支援の新しいカタチ「ふんばろうサポータークラブ」
・マンガ・イラストチャリティーオークション
【発売早々重版決定! 新刊のご案内】
『人を助けるすんごい仕組み~ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか~』
「あらゆる仕事の場で役に立ってしまう本になったと思う。」――糸井重里
アマゾンの「ほしい物リスト」を援用し、2万4000個の物資を被災地へ届けたり、「重機免許取得プロジェクト」で計200人以上の重機免許取得者を生み出したりと、行政や日本赤十字社もできない支援の仕組みから、1000人超の組織を無給で運営する秘密、トラブルを減らすための7か条まで、ぜんぶ一挙に公開!大反響!糸井重里氏との対談『西條剛央さんの、すんごいアイディア。』も著者視点で新収録!ぜひご一読ください。
ご購入はこちらから!→ [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]
早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は心理学と哲学)。1974年宮城県仙台市生まれ。「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表。
自身が創唱した構造構成主義を用いることで、ボランティア未経験ながら、日本最大級のボランティア・プロジェクトへと成長させる。
遠方からでも参加できる新たな仕組みを作ることで、3万回以上の物資支援や、2万5000世帯以上への家電支援を実現。主著に『構造構成主義とは何か』など。