日本にとって部活はトップアスリート育成の場でもある。中学校の部活で頭角を表わした選手は強豪高校に誘われ、その中の厳しい競争に勝ち抜きインターハイなどで活躍した者はさらに強豪大学や社会人チームに進む。プロ野球選手もオリンピックの日本代表になる選手もそうしたルートを歩むケースがほとんどだ。スポーツ界のヒーローは学校の部活なしには生まれないともいえる。

 ただし世界を見ると、学校の部活がトップアスリートの育成を担う国は少数派だ。欧米では地域のスポーツクラブ、あるいはクラブと学校が連携して選手を育成する形態が多い。任意で入るクラブだから実力主義が貫かれ、変な上下関係もない。

 学校で選手を育成するのはアジアの数ヵ国だ。もっとも中国や韓国などはごく一部のスポーツエリートを限られた学校で育成する形をとっているから、全国の学校の部活から選手が育つのは日本くらいなものだ。その意味で部活は重要な意味を持つ。

 一方で、部活にはさまざまな問題が内包されている。そのひとつが名古屋市の小学校の部活廃止の理由になった教師の負担だ。公立中学の教師はなんらかの部活の顧問になることが、ほぼ義務化されているといわれる。しかも残業手当はなく、ボランティアで部を見ているのが実情だ(休日に4時間以上、部活を見た場合は3000円の部活動手当は出る→2019年1月から3600円に増額)。スポーツ経験のない人や専門外の競技でも顧問を務めなければならないケースも多く、情熱が持てない部活に多くの時間が取られることを苦痛に感じる人は少なくないようだ。自分の好きな競技の指導に喜びを感じ、無報酬でもやりたいという教師以外、部活顧問は苦行でしかないのだ。「ブラック部活」といわれる所以である。