「自分たちが大学生だった頃にかかった金額」をもとに、子どもの進学費用を感覚的に見積もると、大幅に資金がショートする可能性があることを認識しておこう。

 では、こうした費用をどう捻出するのか。受験期までに教育費として貯めた貯蓄をベースに、足りない分は大学入学後の毎年の親の収入でカバーできるならいいのだが、それができない家庭が増えている。

 貯蓄や親の収入で賄えない分は、教育ローンや奨学金を利用することになる。教育ローンは原則、「親が借りて、親が返す」借金で、返済が必要な貸与型の奨学金は「子どもが借りて、子どもが返す」借金である。

 親が教育ローンを借りると、返済が定年以降の収入ダウンの時期にさしかかり、負担は現役時代よりもぐっと重くなる。最近見かけるようになったのは、受験期に初年度費用を200万円程度借り、2年目~4年目でさらに200万円借りるケース。トータルで400万円。子どもが2人だと800万円にもなる。

 借りる段階で、返済プランを考えているとは思えない借り方だ。このように学校納付金を丸々借りるケースは、徐々に増えてきている。

足りない費用はどうするか?
子どもが奨学金を借りるケースが急増中

 一方、奨学金を借りる子どもは確実に増えている。日本学生支援機構の奨学金利用者は、2004年度には大学生の4.2人に1人だったのが、12年後の2016年度は2.6人に1人と増加。貸与金額(総額)と利用人数で見ると、2004年度は約6600億円、約93万円で、2016年度は約1兆465億円、131万人である。

 利用人数の伸びよりも貸与金額の増加率が高いということは、1人あたりの借入額が増えていると推測できる。

 実際、驚くほどの金額を借りている学生は少なくない。無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金と合わせて月12万円を借りている子どももいる。4年間借り続けると、卒業時には600万円近くの借金を抱えることになる。

 社会人になって毎月やボーナスごとに返済をしていくことになるが、給料が少ない時期は返済に困ることもあるだろう。奨学金の返済を優先すると、貯蓄ができない。

 奨学金の返済ができずに自己破産するケースも増えている。「奨学金破産」がニュースになると、新聞社やテレビ局には「自分たち(もっと上の世代は自分の子ども)はちゃんと返してきたのに、今の若い人はなぜ返せない」といった声が寄せられると聞く。

 今と昔では、状況が違うのだ。「なぜ、返せない」と言うのは、子どもに酷である。