そもそも、前述のように大学進学費用はハイパーインフレ状態だ。親の時代よりもはるかにお金がかかる。

 さらに今の40~50代の親は昔と違って貯蓄が少ない。それ故に子どもの大学進学用の貯蓄が用意できていない。その分、子どもが奨学金を借りるようになったのだ。

奨学金も立派な「借金」
親世代とは状況が違うことに注意

 奨学金の利用者が増えているので、子どもは「みんな借りるから大丈夫」と不安を感じることなく、借りてしまうのだ。「みんな」が借りると、子どもにとってみると借金のハードルが低くなるので、大人は注意しなくてはならない。いや、大人も同じなのかもしれない。

 また、親世代が社会人になった頃は、独身寮や社宅制度が充実している企業が多く、奨学金を借りている人は、住居費がかからない会社を見つけて就職している。家賃負担が少なければ、奨学金の返済は可能だろう。そして、バブル期は、毎年確実に昇給する会社が多かった。

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 奨学金を借りることそのものが悪いのではなく、借りる額が問題なのだ。今と昔では、今のほうが返済困難に陥りやすい環境なのに、親の時代よりも子どもが多額の奨学金を借りてしまうと、社会人になってからの子どもの人生の選択肢を少なくしてしまう。

 子どもの大学進学が近づいてきたら、親子で「いつ、どのくらいのお金がかかるのか」を紙に書き出して見積もろう。

 親が用意した貯蓄で足りない分は、親が教育ローンを借りるにせよ、子どもが奨学金を借りるにせよ、返済は何年にわたって、月々いくら返していくことになるのか、借りる段階でシミュレーションすることは不可欠だ。親子ともに「返済できる金額」に留めることが肝心だ。

 併せて、返済不要の「給付型奨学金」の利用も検討し、調べてみることをお勧めする。

(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)