メールの場合、相手の反応を見ながら対応ができず、熱意もテキストでしか表現できません。あなたの顔が浮かばないと相手も警戒します。メールでアプローチするときでも、事前に面識があると成功率は高まります。

ランチで話すこと、話してはいけないこと

 一番緊張するのはランチで何を話すかです。「誘えても、何を話せばいいかわからない」と思われるかもしれません。

 しかしご安心ください。あなただからこそ言える、あなたしか知らない「事実」を話せばいいのです。

〇「事務の斉藤さんは仕事量が多いのに的確で速いので残業なしなんです」
〇「月曜の朝礼で部長の熱い想いを聞いたら、方針の意図がわかりました。やる気が出たと、昨日同期のAとBがランチのときに言っていました」
〇「 先月からいらっしゃったC課長、自分の言うことにYesと言わないメンバーを1対1のミーティングでじっくり話しているのを見ました」

×「部長の方針は聞き流しておけと課長が言っていました」(告げ口)
×「部長の方針は今の現場に合っていないという噂があります」(悪口)
×「部長ってすごいですよね。みんな憧れているんですよ」(おべっか)

 現部署でどんなことが起きているか、どんなことで悩んでいるか、どんな人が実は活躍しているかという現場の一次情報は、上に行けば行くほど入ってこなくなります。

 話すときは最初に「悪い話なんですけど」「いい話なんですけど」と予告すると、誤解なく、相手は聞いてくれます。

 社長や役員たちは現場の一次情報、生の情報が大事だと知っているので、必ず耳を傾けてくれます。ただし、伝えることは事実ベースにしましょう。「こうなっているのではないか」という推論や解釈、意見は求めていません。逆にゆがんだ情報を与え、操作しようとしたと悪印象を与えかねません。

 私は事実のみを伝えます、解釈はあなたに任せます、というスタンスが正解です。

■参考記事
「5万人のリストラ」から見えた万年平社員の共通点とは?