大嶋祥誉(おおしま・さちよ)/センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。上智大学外国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、様々な戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。著書に『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』など多数ある。

大嶋 それは全部覚えたってことですか?

炭谷 私の感覚で言うと「覚えた」というより「論理構造を理解している」ということなんです。目次を作るとき、論理構造を考えますよね。すると、それが出来上がるということは、頭の中で「構造が理解できている」ってことじゃないですか。

 だから、実際にアウトプットするときは、その構造に則って話していくだけ。それは今も同じですね。どんなに長い講義や講座でも、基本的に何も見ませんし、パワーポイントがなくてもすべてを話すことができます。

大嶋 そういう炭谷さんを見て、私は「頭がいいな」と思うんでしょうね。「覚えるんじゃなく、構造を理解しているだけ」というのは、言われてみれば納得です。

「何を知りたいか」から逆算する

大嶋 アウトプットとは逆に、インプットをするときのコツ、ノート術というのはありますか?

炭谷 大学時代に読んだ『速学術入門』はそもそも勉強法の本なので、インプットのための手法でした。

 そこに書いてあったのは、本を読むときには、まず目次を見て、目次を書いて覚えてしまう。そのくらいまで把握することが大事だってことなんです。そのやり方を、そのままやっていました。

大嶋 目次を書いて、覚えてしまうんですか?

炭谷 どこまで完璧にできていたかは別ですけど、これはけっこう大事だと思っています。

 そもそも(小説やエッセイ以外の)本というのは、目次に全体像が示してあって、「どこに、何が書いてあるか」が一覧できるようになっています。つまり、その構造を理解して読んでいると、全体の中で「何の話をしているのか」を見失わずに、把握することができます。

 それをもう一段階発展させて、今度は目次を見た段階で「自分が一番知りたいことは何だろう」と考えるんです。すると、「自分が一番知りたいこと」を知るための読書ができるじゃないですか。インプットでは、これが一番大事だと思っています。