以前の案において「官公庁」は、喫煙専用室の設置もできない「屋内禁煙」のエリアに指定され、比較的厳しい規制になるはずだった。ところが、閣議決定案では「行政機関」は屋内に喫煙専用室が設置できない「敷地内禁煙」に当てはまり、この案の中では最も厳しい規制になったものの、そこから外れる国会は、喫煙専用室などが設置可能な「原則屋内禁煙」エリアに当てはまる。

「つまり国会は抜け穴になった」(関係者)ということだ。

 もちろん、「国会もほかの施設同様、たばこを吸うなら、喫煙専用室を設置してそこで吸わなければならないので、“規制の対象外”ということでは決してない」(厚労省関係者)。しかし、その喫煙専用室の基準は未定。そもそも「煙の流出や従業員の立ち入りもあって、分煙は受動喫煙対策にはならない」(日本禁煙学会の作田学理事長)という指摘もあり、国会が骨抜きになったと言われても仕方がない。

議員会館は分煙
執務室で喫煙続ける議員も

 国会そばに隣接する議員会館では現在、フロアごとに喫煙室が設置されるなどの分煙が一応なされている。厚労省の見解では、決定された法案において議員会館は立法機関の一部として扱われ、議員会館でもたばこが吸えるのは喫煙専用室などでのみだという。

 だが、現時点において、自身の執務室でたばこをバンバン吸っている議員は多い。ある愛煙家の議員は、「あんな遠くまで(喫煙室まで)行けっていうの?自分の執務室の中ぐらいなら大丈夫だろう」と、閣議決定案が成立してもあくまでこれまでの喫煙スタイルを崩さない様子を見せつける。

 受動喫煙対策に実行力を持たせる責任を自覚するのであれば、まずは「隗より始めよ」である。