注目すべきは日常での「変化」

 どのような症状が出たら若年性認知症を疑うべきでしょうか。注目すべきは変化です。

 誰でもど忘れはありますが、その頻度が多くなったり、お客とのアポイントをすっぽかすなど深刻さが増したり、計算が苦手になったり言葉が出にくいなど、もの忘れ以外の症状にまで広がったりしたりする変化が表れたら要注意です。

 若年性認知症の場合、会社で仕事のミスが目立ったり、家庭で料理ができなくなったりするなど、本人や周囲の人が比較的早期に異常に気が付きやすいものの「ストレスのせい」「疲れているせい」と認知症を疑わず、発症から診断に至るまで時間がかかるケースが多く見られます。

 実際に、ストレスや過労、うつ病などで、認知症に似た症状が見受けられることもあります。医療関係者の中でも理解は十分とは言えないため、若年性認知症を疑ったら、専門的知識や技術を持った専門医のいる専門外来の受診をおすすめします。

 日本認知症学会が認定する「日本認知症学会専門医」や、日本老年精神医学会が認定する「日本老年精神医学会専門医」がいる近くの病院を検索するのもよいでしょう。

 私が担当する順天堂医院の若年性アルツハイマー病専門外来には、「今までの自分と違う」と主観的に認知機能の衰えを感じて来院する人が3分の1、「周囲がおかしいと気づき」家族主導で来院する人が3分の1、残りの3分の1は「薬の処方だけの外来に終始している」「悪化傾向にある」という理由で転院してくる人で、中には「うつ病とされて治療受けてきたが、改善しないので若年性認知症ではないか」と心配して来院する人もいます。