2018年1月時点のデータでは、日本はわずか8.5%です。地域別で見てみると、いちばん大きいのが「先進国北米」の54.2%、次いで「先進国ヨーロッパ」の21.1%、そのほか、日本を含んだ「先進国アジア・パシフィック」が14.4%、新興国が10.3%という割合になっています*。
TOPIX連動のインデックス投信を購入して、株式のすべてを手に入れたような気でいても、それは世界全体から見れば、全体の8.5%の割合を占める日本市場だけに偏って買っている状態だとも言えます。実際、外国の市場は、日本の市場とはまったく異なった動きをすることも少なくありません。
ここでも必要なのは「平均狙い」です。しかも、ある市場内の平均ではなく、「世界の平均」を狙っていくのです。
これは具体的には、「日本だけ」とか「先進国だけ」のインデックス投信を買うのではなく、世界中の市場インデックスに投資することを意味します。市場内の株式すべてをその構成比率に応じて持つインデックス投信と同様、各市場の時価総額の比率に応じて、複数の市場のインデックスを保有するのが基本的な考え方です。
市場を「世界市場」に広げて考えて、世界規模にお金を振り分ける世界分散を行うと、特定の市場平均だけを狙っていたとき以上に、大きなリスク分散効果が得られます。どこか1つの国の経済が思わしくなくとも、世界全体をおしなべれば、やはりどこかの国では成長があるはずですから、リスクをよりコントロールしやすくなるのです。
たとえば、先進諸国市場だけでなく、新興国市場(エマージング国市場ともいいます)のインデックスを組み込むと、さらなる分散投資効果を得られることが、さまざまなリサーチで認められています。
エマージング国は、政治的にも経済的にも不確定要素が大きいため、このインデックスに連動する商品もハイリスク・ハイリターンになりがちではあります。しかし、ほかの先進国市場とはまた違った値動きをする特性があるため、比較的小さな比率をスパイス的に組み込むと、リスクをコントロールしながら運用のパフォーマンスも上げられることがわかっているのです。