酒の飲み過ぎ、運動不足、過重労働、職場のストレス…。中高年ビジネスマンには、なにかと健康を損なう要因は多いもの。そこで、健康維持と治療に不可欠なクスリについて、“正しい付き合い方”を考えてみよう。
ストレスの多いビジネスマンにとっておなじみの病気、胃潰瘍はかつては死に至る病であった。その治療法も以前は外科手術が中心であったが、画期的な治療薬の登場によって現在では薬物治療で治ってしまう。
現在、日本人の死因のトップはガン、次いで心疾患や脳血管疾患(脳卒中)である。画期的な新薬が生まれつつあるが、残念ながら、すべての病気が薬で治るわけではない。ガンもまだまだ完成度の高い薬は少ない。
日本をはじめ、先進国では発展途上国のような感染症は少ないものの、うつなどの精神疾患が増え、20~50代の働き盛り世代では自殺が死因の上位を占める。薬にも副作用という問題が付きまとう。
本来、病気を治すべき薬が逆に患者の命を奪ったり、より症状を悪化させる事例もある。
つまるところ、病気は絶対になくならないのだ。
有効な治療薬があるのに、その存在を知らなかったり、自らが病気の進行に気づかず、治療の機会を逃してしまうことも少なくない。
医師の指示に従わず、勝手に薬を飲むのをやめてしまい、結果的に治療を長引かせたりする事例は尽きない。
そこで、多忙なビジネスマン諸氏に自己の健康管理への自覚を促すために、最新の医薬品事情や薬との正しい付き合い方など紹介していこう。
生活習慣病~知らぬ間に体を蝕む“時限爆弾”
「自分はまだ若いから大丈夫と油断していた」。