1998年の厚生省(現厚労省)の調査では、心筋梗塞全体のうち86%は血管の内腔が0~75%狭くなっている状態で発症していました。それよりも狭くなる(プラークが大きくなる)と血液が流れにくくなり「狭心症」を引き起こすと考えられます。狭心症は症状が出やすく発見されやすいので、心筋梗塞になる前に治療を受けている可能性も高いのです。

 ここで強調しておきたいことは、「自覚症状のない動脈硬化」が原因となって、急性心筋梗塞などの血管事故を突然発症するケースが多々あるのだということです。動脈硬化や、その原因となる生活習慣病が、「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれる理由はここにあるのです。

だるさと肩こり、冷え症は
「血管力」低下の黄信号

 血管は「ものを言わぬ臓器」と呼ばれます。前述したとおり血管の病気のほとんどは自覚症状なく進行し、突然命を奪うことが多いからです。しかし私は「血管力」の低下が出す“サイン”はある程度察知できると思っています。

 それが「未病」です。これは東洋医学の考え方で、「病気ではないけれど健康でもない状態」のこと。そして、「未病」に大きく関わってくるのが血管や血液です。

 生命活動維持に必要な栄養素や酸素、水は、血管を流れる血液とともに全身の細胞に運ばれます。細胞で生じた老廃物や体に有害なものは、血液とともに回収されて無害なものに代謝されたり、体外に排泄されたりします。

 血液の流れが滞るとこれらがスムーズにできなくなり、疲れやすくなったり、だるさがとれなくなったり、肩こりや冷え性といった「未病」に悩まされるのです。

 私の患者さんには私のアドバイスに従って「血管力」がアップした方が数多くいます。みなさん「肌の調子がよくなった」「すっきり目覚められるようになった」「だるさと腰痛、肩こりが解消した」と、体調の改善を実感されています。「血管力」と「未病」の関係をこれまで多くの患者さんが実際に証明してくださっています。