――でも、社員総会では反対意見が上がったと。

「東京都が減れば、東京都の大学医局から地方に派遣する医師が減る」と。でもそれって詭弁ですよね。東京都の大学病院には関連病院というのがあって、そこに行かせるという話なんだから。山梨県まで来ないんですよ。地方の隅々までは行かないんですよ。派遣って2、3ヵ月とかで、しかも派遣される医師はぐちぐち不満を言いながら。そういうのがいいのか、本当にその県の医療事情が分かっている国立大学病院に最初から研修医を入れるのがいいのか。山梨県も、山梨大学附属病院に入れてくれれば地域の医療事情を分かっているからちゃんと回せる。

 東京都は集まりすぎるから適当に関連病院に回して、その結果研修医が辞めちゃう。東京都の指導医は若手医師を本気でケアしないからです。ぐるぐる回されたら、良い研修もできるわけないです。それよりも地方のことは地方に任せたらっていうのが私の考えです。「なんでもかんでも俺に任せろ」と中央集権的なことを言って、「関連病院をかわいがりますよ」と。無責任なことを言っているんですよ。

2004年に始まった初期臨床研修制度
地域医療の崩壊の引き金

――そもそも、島田さんは2004年に始まった初期臨床研修制度(新研修医制度、医師臨床マッチング制度)を問題視している。

 国は壮大な制度を作ったつもりでしょうが、結局都会に医師を集める制度だったんですよ。なぜ作られたかというと、それまでの研修制度では、研修してもあまりにもレベルが低い。その結果、当直の研修医が担当した患者が亡くなったりすると、これはなんだと。だから最低2年は基本の科を回って研修しましょうよと。それはいいですが、皆さん出身大学に残らないでどこいっても自由ですよとなった。一大事。地域医療の崩壊の引き金になりました。