「形から入る」ことで、
意識まで改革した調達本部

小室 先ほど、まず調達本部がトライアルとして働き方改革に深く取り組んだとおっしゃっていましたが、その際に、特に効果的だった取り組みはなんですか。

大川 全員のPCをノート型にしてWi-Fi接続化したり、全員にスマホを貸与して個人番号を割り振ったりなど色々ありましたが、印象的だったのは、調達本部の本部長が「すごく時間がかかって大変でした」と話していた取り組みです。

「意識改革に時間がかかって苦労したのかな?」と思っていたら、実は書類をPDF化して、ペーパレス化するのに膨大な時間がかかったと言うんです。それだけ、たくさんの書類を紙で溜め込んでいたということですね。そもそも使わない書類がいっぱいあったんですよ。そういう物理的な整理整頓から始めたのは、大きな意義があったと思います。3月まで私がいたコミュニケーション本部も、テーブルの上にノートパソコンが置いてあるだけ。フリーアドレスになっています。

小室 素晴らしい!トップの強い指示で取り組むと、その人が職責を退いた途端に、揺り戻しが起きるという失敗事例がよくあるんです。でも、1つの部署で深く取り組んで、しっかりとした成功体験が軸になっていると、ブレずに継続できます。

 また、ペーパレスの威力は非常に大きくて、目に見えて職場が変わるので視覚に訴えます。「なんか俺たち、最先端の働き方になってる気がする」という(笑)。この視覚から入る意識改革は、変化を加速させるのに有効です。

大川 「形から入る」と言うと、ネガティブな意味にとられることが多いかもしれませんが、形から入ることの効用も大きいと思います。

 こういうことって、口だけではなんとでも言えますが、やはり実感したり、体感したりすることが大事です。実際に体験した人がたくさんいることが、非常に大きいですよね。