UI時代のアマゾンの優位性とは?

 音声認識スピーカーにおいて、アマゾンは既に米国では圧倒的な勝者となっている。米国の調査会社eMarketerによると、2017年における音声認識スピーカーのユーザーは3560万人、そのうちAmazon Echoのシェアは実に70.6%という(※2)。

 アマゾンが優れているのはamazon.comというオンライン最大の販売チャネルを自社で持っているということもあるが、Amazon Echoシリーズの端末上で使える「スキル」の数が既に3万を超える(2018年3月時点)ということが挙げられる。

 スキルとは、スマートフォンでいうところのアプリのようなもので、Amazon Echoシリーズの端末の先にあるクラウドAIプラットフォームのAlexaを活用した音声制御アプリである。例えば、Amazon EchoでAlexaにUberを呼んでもらったり、ピザの宅配をお願いしたりするのは、すべて「スキル」によって可能になる。

 アマゾンは、このスキルの開発について、サードパーティの開発者が収益をあげられるようにすることで、より多くの優れたスキルを追加し、ユーザーの利便性を上げることを可能としている。

 音声認識スピーカーについては、新しいインターネットサービスへの入口として最も重要なUIとして、多くの企業がしのぎを削っているところである。

 そのうち、インターネットのあらゆるサービスは、音声による入力・出力(VUI)がメインになるのは疑いがないであろう。そうした近未来の世界の実現に向けて、日本ではLINEとグーグルが先に販売を開始したが、アマゾンの徹底した「最もお客様を大切にする」姿勢は、ここでも優位に働く可能性が高い。

※2  https://www.emarketer.com/Article/Alexa-Say-What-Voice-Enabled-Speaker-Usage-Grow-Nearly-130-This-Year/1015812

(この原稿は書籍『破壊――新旧激突時代を生き抜く生存戦略』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)