命に関わる“お昼寝問題”
自動化で保育士の負担軽減

 赤沼たちの開発部隊が重視しているのは、現場の声を知ることだ。これまでも保育園に何度も足を運び、人手不足で現場の疲弊が叫ばれる、保育士の負担軽減に対するニーズは何かと模索を続けてきた。

 その中で、命にも関わる問題として行き着いたのが、園児の午睡(昼寝)の際に起き得る現象への対処だ。保育施設内では死亡事故の8割以上が睡眠中に発生。その多くがうつぶせ寝の状態の際に乳幼児突然死症候群(SIDS)が起こることで生じるとされる。

 保育士の業務では通常、SIDSが起きていないか見張ることもあり、例えば0歳児では全ての園児について5分置きに呼吸や体の向きを確認し、手書きで記録する。

 そんな保育士の膨大な作業負担を軽減すべく、ユニファが開発し、今年4月から導入を始めた乳幼児向けのヘルスケアシステムが「るくみー午睡チェック」だ。園児の上着に円形のセンサーを装着し、これが呼吸や体の動きを検知。保育士は自動で記録された内容をパソコンやタブレットのアプリ上で確認でき、うつぶせ寝や呼吸停止状態になればアラームで知らせる。

 このほか、保育園での当日の様子を写真で保護者に知らせるなどの機能を持つ「るくみーノート」の試験導入も始めた段階だ。

 午睡チェックなどの今後の展開に関し、赤沼は「蓄積されてきたデータを活用し、体調変化や突然死の予兆を捉えるなどして付加価値を高めたい」との青写真を描く。

「テクノロジーで保育の未来を変える」というゴールに向けて、技術面から“アシスト”を続ける赤沼。本格的な海外進出のキックオフに備えるべく、これからも現場ファーストで熱き戦いに挑んでいく。(敬称略)

(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平)

写真提供:ユニファ

【開発メモ】るくみー午睡チェック
 ITを活用したユニファのヘルスケアシステム「るくみー午睡チェック」の使用風景。医療機器の指定を受けているセンサーを園児の上着に装着すると呼吸や体の動きを検知し、端末のアプリ上で内容を確認できる。0歳児なら5分置きに目で確認し、手書きで記録を取ってきた保育士の負担軽減の効果は大きく、導入を喜ぶ現場の声は多いという。