大阪の犯罪の多さを象徴してきたのがひったくり。ピークの00年には、1日平均約30件発生。大阪府警は自転車かご用のひったくり防止カバーを府民に無料で配ったり、防犯カメラ設置を自治体に促したりするなど対策を強化。未成年の犯行も多いため、補導や支援に力を入れてきた。

 その結果、17年の件数は集計方式が同じ1989年以降で最少となった。路上強盗や車上ねらいなども大きく減少。ただ、認知件数の全国ワーストを返上するまでには至っていない。

 府警犯罪抑止戦略本部の阿田光幸副本部長は「数字は改善しても、体感治安は良くなっていない。府民の安心感を高めるため、検挙と防犯対策に一層力を入れたい」と話す。体感治安とは、人々が日常生活で実感する治安状況のことだ。

 全国の認知件数のうち、7割の約65万5千件が窃盗。さらに細かく分類すると、愛車を持ち去る自動車盗、住宅などに忍び入る侵入盗などがあり、身近で被害に遭いやすい犯罪といえる。そのいずれも、茨城が人口比で全国最多だ。

 この実態を茨城県警はどうみているのだろうか。

 自動車盗は、盗難車を解体施設(ヤード)へと運び、解体後に部品を海外へ売りさばくケースが多いとみられる。ヤードが立地しやすい条件が県内にそろっているのでは、と茨城県警はみる。東京など都市部と比べ、地価が安く整地された土地も多い。隣接する千葉や栃木には大規模な中古車オークション会場があり、周辺に自動車関連業者が集中。車や部品を運びやすい高速道や港湾施設も整っている。「ヤードが多いため、盗難車を扱う不正施設が目立ちにくい」(県警生活安全総務課)という。

 千葉や愛知も自動車盗が多く、かつては全国ワーストの年があった。しかし、取り締まりを強化するなどして件数が減ったため、16年以降は茨城が認知件数の全国ワーストに。茨城県は17年4月、ヤードの経営者の届け出義務化や警察官の立ち入り権限を強化した条例を施行した。県警も不正ヤードや自動車窃盗犯の動向に目を光らせている。

 茨城の17年の侵入盗約4千件のうち、半数超が住宅を対象にした犯行。空き巣や就寝時に侵入する忍び込みなどの手口だった。県警は「茨城は農業県で、住宅が点在する地域も多い。1戸あたりの敷地面積も広い」とみる。

 確かに、敷地面積は平均425平方メートルと全国1位(総務省「統計でみる都道府県のすがた2018」)で、総農家数は約8万8千戸と全国2位(農林水産省「2015年農林業センサス」)。住宅が大きく、密集していない環境が侵入盗を誘発するのだろうか。

 茨城以外の侵入盗が多い県も、農業が盛んな地が比較的目立つ。人口あたりの侵入盗件数2位の愛知は、総農家数全国6位。福岡は同17位、千葉は同10位、岐阜は同13位だ。