それでは、TV視聴者がどれほどの数になるのか、確認してみましょう。

 報道によると、2006年にドイツで開催されたサッカーW杯の全世界でのTV視聴者は延べで263億人だったそうです。2008年の北京オリンピックのTV視聴者は47億人だったようですので、熱狂的なファンの多さがその差を極めて大きくしていると考えられます。

W杯初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」で
試合翌日の日経平均は1200円も上昇

 さて、ここで日本への影響を考えてみましょう。

 W杯はロシアで行われるため、日本への直接的な影響はあまりありません。そこで、ここでは投資家心理を通じて株式市場に与える影響を、過去の例を参考にして見てみたいと思います。

 投資家心理を通じて株式市場に影響を与えた代表例として、日本が初のW杯出場を決めた1997年の「ジョホールバルの歓喜」があげられます。

 W杯初出場を決めたのは97年11月16日(日曜日)に行われたアジア最終予選です。日本時間の深夜0時を回った試合でしたが、視聴率(ビデオリサーチ・関東地区)は47.9%と高い数字となりました。日本中が勝利に歓喜し、翌17日の日経平均株価は約1200円(約8%)上昇、当日朝に流れた都市銀行の北海道拓殖銀行の破綻という悪材料を打ち消す形となりました。

 男子のサッカー日本代表がW杯の決勝トーナメントに進出したのは、日韓共同開催で行われた2002年W杯でのトルコ戦と、南アフリカで開かれた2010年W杯でのパラグアイ戦の計2回です。TVの視聴率は比較的高かったのですが、いずれも敗れた影響があったのか、翌日の株価は下落しました。

 ちなみに、サッカーW杯の優勝国の実質GDP成長率を、W杯開催年とその前年で比較すると、1986年のアルゼンチン優勝以降、2014年のドイツ優勝まで、8回連続して開催年の方がGDP成長率も高くなっています。人気スポーツのサッカーで、自国の代表が大活躍することが人々のマインドを改善させ、経済面でも大きなプラスになっている可能性があります。