中国人はロシアの
ワールドカップツアーの主役
中国チームはワールドカップに出場できなかったが、中国のファンの熱狂ぶりは世界一といえる。過去二回のワールドカップ(ブラジル大会、南アフリカ大会)に比べ、今回は中国から近いロシアでの開催ということと、ロシア政府が外国人観客を対象にしたビザ免除政策を実施しているため、中国で「ワールドカップ観光ブーム」が起こった。
「ワールドカップ観光ブーム」は観光産業にビジネスチャンスをもたらした。オンライン旅行サービスの運営会社「同程芸龍」は、航空券、ホテル、列車の切符、自動車使用などの業務で、ワールドカップ関連のサービスを始めた。さらに、中国語での送り迎えサービス、中国語でのガイドサービス、家族連れの客へのチャイルドシートなどの提供、ホテルへのチェックインなどの手助け、観光地のレストランの紹介やスタジアムへの交通手段案内などの独自のサービスも行なった。
上海に本拠地を置くオンライン旅行会社シートリップ(携程)や南京に本拠地を置くトウニュウ(途牛)もワールドカップ関連商品を次々と売り出した。
シートリップが公表した「2018年ワールドカップロシア大会における観光消費に関する報告書」によると、ワールドカップ期間中、ロシアへ旅行、試合観戦に行く中国人観光客は10万人に達すると見られている。
ロシアに入国する各国観光客の中で3番目に多いのが、中国人観光客である。ワールドカップ期間中に、観光客のロシアでの消費(ツアー代、ワールドカップ入場券、現地での消費などを含む)は、計10万人で計算すると、30億元に上る。観光目的でロシアを訪れる中国人観光客が多いのは、今年に限ったことではない。統計によると、2017年にロシアを訪れた中国人観光客は延べ147万人に達し、ロシアに少なくとも18億ドルの収入をもたらした。
「飛行機の輸送能力についていうと、現在、中国はロシアへの直行便が大体20本運行している。各便200席ほどと計算すると、一日あたり4000席、30日間で12万席の客を乗せることができる。多くの人気都市の出発便搭乗率は90%以上に達している。中国のファンや観光客はロシアのワールドカップツアーの“主力”になるだろう」
シートリップの海外旅行部門責任者の肖吟元氏はこう語っている。