127年の歴史を持つオランダのフィリップスは総合電機メーカーから医療機器メーカーとなり、さらにはヘルステック企業になると宣言した。医療機器世界メガは「モノ売り」のビジネスモデルを大転換する。『週刊ダイヤモンド』7月21日号の第1特集「製薬 電機 IT/ 医療産業エリート大争奪戦」の拡大版として、産業のキーマンたちのインタビューを特別連載でお届けする。第3回は医療機器三大メガの一角であるフィリップスの日本法人、フィリップス・ジャパンの堤浩幸社長に聞く。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)

――創業来の照明事業までも分社化し、医療・ヘルスケアに特化しました。そして、堤社長を含めマネジメント層にはIT業界出身者が増えています。フィリップスはどこへ向かっているのですか。

堤浩幸・フィリップス・ジャパン社長 Photo by Masato kato

 私、「医療業界」という言葉自体がもう死語だと思うんです。薬だとか機器だとかに業界を分けるのはノット・メイク・センス。米グーグルや米アマゾンだってこの世界に入ってきているんですよ。いろいろな業界が関わって業界間の壁がなくなる「ヘルステック」の世界になります。だからうちは「モノ売り」から「コト売り」へシフトし、ヘルステックに特化した会社になりました。

 簡単に言えば、人と人、人とモノ、モノとモノをつなぐソリューションビジネスです。一時ではなくて継続的につないで価値を生み出す。ヘルステックであって、メディカルとテクノロジーをミックスした「メディテック」ではありません。メディテックだと医療だけに特化したものになってしまいますから。医療の分野だけではなく、健康な生活における予防、診断、治療、ホームケアまで広く長いスパンで生活、健康を向上させる手段を作っています。

――その戦略の鍵を握るのが、個人や医療機関、企業の機器・サービスを医療・健康データを含めつなげるクラウドシステム「ヘルススイート」ですね。

 はい。他社の装置やサービスもつなげていくものです。こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、IT業界出身だからあえて言います。日本市場におけるIT通信機器は外国製ばかりですよね。パソコン(PC)も携帯電話も。

――医療機器も輸入超過で外国製ばかりです。