昇進試験の直前対策!

本記事では、発売たちまち3刷が決まった、元NHKアナウンサーの超人気講師で「ウェブ小論文塾」代表・今道琢也氏の新刊『落とされない小論文』から、内容の一部を特別掲載する。(構成:今野良介)

「論文なんて学生以来書いてない!」という人へ

昨今、多くの企業や官公庁で、昇進試験として小論文が取りいれられています。しかし、「小論文など学生の時以来書いたことがない」と、戸惑う人も多いようです。

そこでどんな出題であっても使える、解答の手順をご紹介します。

次のような手順、思考プロセスで書いていくとよいです。

(1)問題を読み、答えるべきポイントを把握する
(2)答案の柱を立てる
(3)大まかな字数配分を考える
(4)各柱の内容を箇条書きしていく
(5)話の流れを整理する
(6)清書
(7)誤字脱字等のチェック

実際に、次の例題で、具体的にやることを見ていきましょう。

「明確な主張を論理的に伝える力」はリーダーの必須条件。

【昇進試験の例題】
セクハラ、パワハラ等のない職場を作ることの重要性について述べたうえで、管理者として、このことにどのように取り組んでいくか述べなさい。

(1)問題を読み、答えるべきポイントを把握する
聞かれていることは…
・セクハラ、パワハラ等のない職場を作ることの重要性について述べる
・管理者としてこのことにどのように取り組んでいくか
この2点がハッキリとわかるように書くことが必要です。

(2)答案の柱を立てる
(1)を踏まえ、どんな話の流れにすればよいか考えます。
例)
●セクハラ、パワハラを職場からなくすことがいかに大事かを述べる
●管理者としての取り組みを示す
・職場の風土づくり
・研修
・相談しやすい環境を作る
●まとめ

(3)大まかな字数配分を考える
「どのパートにどれくらいの字数を当てるべきか」をイメージしておきます。

問題の趣旨を考えれば、「セクハラ、パワハラ等のない職場を作ることの重要性について述べる」は議論の前提を示すという意味であり、ここに字数を割きすぎてはいけません。

答案の力点を置くのは「管理者としてこのことにどのように取り組んでいくか」の部分です。したがって、次のように配分します。

例)
●セクハラ、パワハラを職場からなくすことがいかに大事かを述べる(2~3割くらい)
●管理者としての取り組みを示す(6-7割くらい)
・職場の風土づくり
・研修
・相談しやすい環境を作る
●まとめ(1~2割くらい)

大体これくらいのイメージで書いていきます。

(4)各柱の内容を箇条書きしていく
それぞれの柱にどんなことを書いていけばよいか、箇条書きしていきます。
例)
●セクハラ、パワハラを職場からなくすことがいかに大事かを述べる 
・セクハラ、パワハラを職場からなくすことは管理者の義務
・もし起こったら……被害者に多大な苦痛を強いる。職場全体の士気が低下する
・さらに広がったら……訴訟やメディアでの報道。その結果企業としてもイメージダウンによる消費者離れ、顧客離れが起きる
・当社の現状……セクハラやパワハラに相当する事案が毎年報告されている
・したがって、管理者として積極的に取り組んでいかなければならない

●管理者としての取り組みを示す
・職場の風土づくり……うやむやにしない。「そういうことはしてはいけない」「誤解を招くようなこともすべきではない」とはっきりと伝える
・研修……「これぐらいなら大丈夫だと思っていた」という認識不足の人が多い。定期的に研修を開き、過去にあった事例を紹介。重い処分の対象になること、職場や会社に対しても大きなダメージとなることを学ばせる
・相談しやすい環境を作る……相談窓口をミーティング等で周知、相談窓口の番号を掲示。酒席での注意を呼びかける

●まとめ
・管理者として責任をもって実行する。誰もが働きやすい職場の実現に向けて力を尽くす

このように、各柱に書くべきこと、知っていることを、どんどん箇条書きしていくのです。下書きでいきなり文章の形にすると時間がかかる上、話の順番を入れ替える必要が出てきたときにやりにくくなります。

(5)話の流れを整理する
素材がそろったら、全体の流れを確認し、不要なものを削除したり順番を入れ替えたりして、話の流れを整理していきます。

(6)清書
読みやすい字を心がけて清書します。薄い字や小さな字は読みにくいです。

(7)誤字脱字等のチェック
書き終わった文章の誤字脱字等をチェックします。

さて、以上を踏まえて、実際に私がつくった解答例を次のページに示します。