【高評価の解答例】
セクハラ、パワハラを職場からなくすことは管理者の義務である。こうした問題が生じると、被害者に多大な苦痛を強いるということはもちろん、職場全体の士気の低下にも繋がってくる。さらに問題が大きくなると、訴訟やメディアでの報道といった事態に至る可能性もある。被害者個人が損失を受けるだけでなく、企業としてもイメージダウンによる消費者離れ、顧客離れ、といった損失を被る可能性がある。したがって、セクハラ、パワハラをなくすことに取り組むことは極めて重要である。当社においても、過去に何度も注意喚起がなされていながら、セクハラやパワハラに相当する事案が毎年報告されているという現実がある。管理者はこのことを認識した上で、この問題に積極的に取り組んでいかなければならない。
そのためには、まず、セクハラやパワハラを許さない職場の風土を作ることである。私はセクハラやパワハラにあたる行為を見聞きしたら、うやむやにせず、本人にきちんと問いただし、注意していく。管理者として「そういうことはしてはいけない」「誤解を招くようなこともすべきではない」ということをはっきりと伝え、あいまいな態度をとらないことが大切だ。
また、セクハラやパワハラは、加害者側が「これぐらいなら大丈夫だと思っていた」という認識不足で起こることが多い。そこで、私は部署内で定期的に研修会を開きたい。どのような行為が該当するのか過去にあった事例を紹介することや、セクハラ、パワハラは重い処分の対象になること、職場や会社に対しても大きなダメージとなることをスタッフに学ばせていきたい。
さらに、相談しやすい環境を作ることも大切である。被害を受けた時や、こうした問題を見聞きした際の相談窓口をミーティング等で周知し、職場の見やすい場所に相談窓口の番号を掲示しておきたい。我慢や見て見ぬふりをしないようにスタッフに伝えておくことも必要だ。こうした問題は特に酒席などで生じやすい。忘年会シーズンなどには、朝礼などの場で注意を呼びかけていくことも励行していく。
私は管理者としてこれらのことを、責任をもって実行していく。セクハラやパワハラのない、誰もが働きやすい職場の実現に向けて力を尽くす決意である。(以上)
採点者の評価ポイントとは?
この答案が高評価につながる理由は、下記の7点です。
1 問題文の指示を理解して書いている
2 答案のバランスが適切
3 取り組み内容を具体的に書けており、全くあいまいさがない
4 取組みを多面的に提示出来ている
5 答案の流れが整理され頭に入り易い
6 自信をもった言葉遣いで書けている
7 管理者として、意欲的な言葉で締められている
「手書き」にかかる時間の目安
実際に鉛筆で原稿用紙に書くという作業は、意外に時間がかかるものです。最近は、手書きで文字を書くことが少ないため、慣れておく必要があります。自分で時間を計って、どれくらいかかるのか確かめておきましょう。
ちなみに、手書きにかかる時間の目安は、下記が一般的です。
・800字→30~35分
・1200字→45~50分
言葉遣いを考えたり、消しゴムで消して書き直したりしていると、これくらいの時間はかかるものです。これに、最終チェックの時間を5分積んでおき、残りの時間で、問題を読むところから下書きの作成までをやらなければなりません。
試験時間内に絶対書き終えなければならないのですから、下書きに配分していた時間をオーバーしたら、本番ではもう原稿用紙に清書し始めるしかありません。そうならないために、試験日が近くなったら、実際に時間を計って書く練習をしておきましょう。
『落とされない小論文』では、このほか、小論文試験に一発合格する必要最低限の情報を凝縮して伝えています。ぜひ、直前対策に使い倒してください。