俗説に惑わされず
「この夏」を生き延びよう

 さて、この熱波の問題にはまだ先がある。ヒートアイランド現象と地球温暖化の影響で東京の気温が上昇し続けることは、2000年代前半から地球シミュレータによって予測されていた。そして現在は、その通過点に過ぎないと いうのだ。

 西暦2100年には、地球全体の気温は(化石エネルギーの使用をパリ協定水準で抑えたとしても)4.2℃上昇するそうだ。今から約80年後、2100年の東京では冬がなくなり、5月から10月まで長い夏が続くようになる。真夏日は現在のように45日程度ではなく、その頃には100日を超えるようになる。今、異常気象と言っている現象は、今世紀後半では日常になると予測されているのだ。

 これまで東京の熱波は5~8年に一度のペースでしか起きなかったが、シミュレーション結果を見ると、残念なことに2020年以降はほぼ毎年、最高気温は35℃を超えるようになる。それが毎年の水準となり、熱波の年には(体感気温ではなく観測気温で)38℃~40℃の暑さがやってくることになるようだ。

 そうしたことを考えると、今年の酷暑が終わった後、ひょっとすると次の熱波は来年にもやってくるかもしれない。だとすれば長期的な対策として、この夏は間に合わなかったという人も、今年のうちにエアコンを購入して設置しておくという判断が必要だろう。

 気候に関する説は様々で、「地球は温暖化どころかこれから寒冷化する」という学説もあれば、「地球温暖化説は嘘で、本当は地球は暑くなっていない」という陰謀論めいたものもある。

 しかしどの説を信じるのであれ、重要なのは目の前の夏をいかに生き延びるかだ。実際にどうなるかは何十年も経ってみないとわからないのだから、「地球はこれから徐々に温かくなっていく」という説に基いて対策を立てておくほうが、この異常気象をサバイバルするにあたっては無難と言えるだろう。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)