読書好きだった二条さんが特につらかったのは、休み時間だったという。

「読書してるとからかわれるので、教室から出るようにしてました。トイレも不良が固まってるので行けない。1階から3階まで階段を行ったり来たり、体育館まで歩いてみたり……。担任も、周囲と遊ぶことを奨励する先生だったので“1人で読書は感心できないな”って容認されず、つらかったです」

 学校ではいつも1人浮いていた。体育祭や文化祭のときも、どこの班にも係にも入れてもらえなかった。体育の時間、バスケットボールでは、自分にだけボールが回ってこない。クラスの中で、存在していないように扱われた。

 担任からも、1人静かにしている自分は嫌われ、問題を起こしている生徒のほうが好かれていた。

 学校は、戦場のようだった。でも、高校までは何とか卒業しないと、親に申し訳ないという気持ちがあった。

「毎週、親が制服をクリーニングしてくれるんです。それが、僕に対する期待のように感じられて……」

私立大学に入学したものの中退
居場所を求めてボランティアに

 当時、二条さんの実家には自分の部屋がなく、家にいても居場所がなかった。

 学校では疎外されていたものの、働くのは好きで、高校1年のときからアルバイトを始めた。職場では「若いのに偉いね」などと、大人たちが歓迎してくれたのが嬉しかった。

 高校を卒業してからも、そのアルバイトを続けながら、月額4万円ほどのアパートで1人暮らしを始めた。ただ、不況の影響で勤務時間が短縮され、新たに代わった上司とも合わなくなった。