歴史的酷暑を記録した今年の夏、多くの人が熱中症を発症し、さまざまな注意喚起がなされている。熱中症の予防として水分補給が重視されているが、実はこの水分補給の方法を一歩間違えると、まったく別の疾患を患うおそれがあるという。(清談社 真島加代)

記録的猛暑で熱中症が続出
暑さだけでなく湿度も犯人!

熱中症を防ぐための効率的な水分の摂り方とは?
熱中症対策として、やみくもに「水だけを飲む」のには問題がある Photo:PIXTA

「今日も暑くなりますので、水分補給をこまめに行い熱中症には十分注意をしてください」

 この時期の天気予報は、このように「熱中症への注意喚起」で締めくくられることが多い。特に今年の首都圏は、平年より22日も早く梅雨が明け、その後、外気温35度以上を記録する“酷暑”が訪れる異常事態に陥っている。そのため、急激な気温の変化に対応できず、熱中症に倒れる人々が続出した。

「今年に限らず、梅雨から梅雨明けにかけては熱中症リスクが特に高い時期です。特に今年のように、梅雨明け後に急激に気温が上がった日はもちろん、湿度が高く蒸し暑い日も熱中症の患者が増える傾向があります」

 そう話すのは、新百合ヶ丘総合病院救急センター長の伊藤敏孝医師。伊藤氏によれば、気温の高さだけでなく、湿度の高さも熱中症を引き起こす原因になっているという。

「熱中症は“高温多湿の環境下で起きる身体障害”の総称です。つまり、急な環境の変化に体がついていけずに発症する病なのです。人間の体は暑い日になると、皮膚からの放熱や、発汗、呼気による蒸発で体温を調節します。しかし、急激に気温が上がった場合には、体が暑さに対応できず、汗をかいて体温を下げることができません。そのために熱中症になってしまうのです」

 また、湿度が高く蒸し暑い日は、外気の湿気によって汗が蒸発しにくいため、発汗が妨げられて熱中症になるのだという。気温がさほど高くない日でも、湿度が高ければ注意が必要なのだ。