先味・中味・後味が
あなたのファンをつくる
お客さまは、単に商品やサービスそのものだけでなく「先味」「中味」「後味」という3つの味を味わって、購入するかどうか、満足したかどうかを判断しています。
そして、その3つの味のどこかに「小さな感動」を覚えたときに、リピートしたり、たくさんの人に紹介したくなったりするのです。
では、先味・中味・後味という「3つの味」とはどのタイミングのことをいうのか、整理しておきましょう。
「先味」=商品やサービスに触れる前に感じるもの
お店に入ったり、商品を買ったり、商品の説明をする前。つまり商品やサービスに触れる前に、お客さまが感じるものです。
商品と接する前、お客さまは、少し緊張しています。
「このお店はおいしいのかな?」
「この商品は買うべきなのかな?」
「この営業は信頼できるのかな?」
そんなふうに、期待もしているけれど、少し疑ってもいる状態です。
相手が私のような営業の場合ならば、
「どうせまた同じ話なんだろう」
「うまいこと言われても、ちゃんと判断しよう」
「だまされないようにしよう」
お客さまは、そんなことを思っている場合も、決して少なくありません。
そんなときに、
「この人の話は真剣に聞こう」
「この人は信用できそうだ」
「期待以上のものが手に入るかもしれない」
そう思っていただくための「何か」が、先味です。
判型/造本:46並製、256ページ ISBN:978-4-478-06843-4
『だから、また行きたくなる。伝説の外資系トップ営業が教える「選ばれるサービス」の本質』
「中味」=商品やサービスそのものに
触れているときに感じているもの
商品自体や商品説明、お店に入ったときや料理を食べたときに感じる味です。先味が良ければ、お客さまもポジティブになっているかもしれません。
当然、一番大切なのは商品です。商品は、お客さまの問題を解決できるものでなければいけません。お客さまを満足させるものでなければいけません。
でも、商品の魅力を気持ちよく、ストレスなく感じてもらうために、ちょっとした工夫をするのです。お客さまは、どんなことを求めているのか、何をしたらもっと喜んでいただけるのか、何かもっとできることはないか、徹底的に考えてみるのです。
値段も大切な要素ですが、それだけではお客さまの心を動かすことはできません。「お客さまはどんなことに満足感を感じるのか」を、真剣に考えなくてはいけません。それが「中味」の大切なポイントです。
「後味」=商品の魅力を味わった後に感じるもの
営業の仕事でいえば、先味も中味もお客さまに「おいしい」と満足を感じてもらえたなら、お客さまはその商品を買ってくれたり、もしくはとても前向きに検討する気持ちになっているはずです。お店の場合だったら、先味も中味も良かったら「来てよかった!」「また来よう!」「人に紹介しよう!」という気持ちになっているはずです。
そこから先、商品の魅力を味わった後に感じる味が、後味です。さらに後味をどう提供できるかによって、満足感の高さが変わってきます。
自分がつくった後味で満足感を高めることができたなら、お客さまは、あなたやお店のファンになってくれます。それは商品だけではない、あなた自身への評価です。
先味でものすごく良い印象を受けたり、後味で強烈なインパクトを残すだけでも、お客さまは「また行きたい」と思ってくれるかもしれません。
でも、理想的には、先味・中味・後味すべてにおいて「レベル11(=普通の仕事をほんの少しだけ超えるサービス)」を実践することです。
(参考記事)
伝説の外資系トップ営業が思わず写真におさめた「感動するサービス」5選
『だから、また行きたくなる。』序章全文公開
https://diamond.jp/articles/-/176396