「モノが売れない時代になった」と言われて久しい。しかし、それでも常に行列の絶えないお店があり、成長し続ける会社があり、結果を出し続けるビジネスパーソンがいる。商品の「値段」や「質」がほとんど変わらなくても、売れる人と売れない人、繁盛しているお店とそうでないお店がある。
これは、なぜなのか?
本連載では、プルデンシャル生命2000人中1位の成績をおさめ「伝説のトップ営業」と呼ばれる川田修氏が、あらゆる仕事に通ずる「リピート」と「紹介」を生む法則を解き明かした話題の新刊『だから、また行きたくなる。』から、内容の一部を特別掲載する。(構成:今野良介)
あなたは、大切な人へのプレゼントを
どのお店で買っていますか?
まず、下の写真をご覧いただけますか?
私には、アシスタントをお願いしている女性が2人います。その1人の誕生日が近づき、プレゼントを贈ろうと、三越伊勢丹に電話注文しました。電話口で女性へのプレゼントであることを伝え、小さな瓶に入った、バスオイルのセットを注文しました。
ほどなくして、商品が届きました。
箱を開けてみると、バスオイルのセットが緩衝材にくるまれて入っていました。
緩衝材をはがすと、リボンがつけられています。
壊れやすい商品だから緩衝材を巻く。プレゼントだからリボンをつける。伝統と格式のある百貨店、きちんとしています。
とはいえ、これは多くのお店でやっていることでしょう。少なくとも、この時点で私は、特に驚きを感じたりはしませんでした。
ところが、届いた箱の中をよく見ると、もうひとつ緩衝材が巻かれたものがあります。商品を入れるための「手提げ袋」でした。商品と一緒に紙袋を送ってくるのは、どこのお店でもやっていることですよね。袋が折れ曲がらないように配慮しているお店もあります。しかし、手提げ袋までを「プチプチ」でくるんでいるお店は初めてでした。
袋も新品同様の状態でお渡しできるように。
そんな心遣いだったのでしょう。
さらに、同梱されていた商品パンフレットの冊子を手にとって、私は、
「えっ?」
と、驚きました。