2015年秋、転機が訪れた

 それまでの頑張りが認められ、鷹之介君は、農場体験コースの参加者としてではなく、農場のボランティアとして、農場の正規の業務に単身で参加することを認められた。小学校3年生になったばかりだった。

すず)農場のスタッフ10人くらいが落ち葉を集めて肥料を作っていたところに、たまたま散歩で鷹之介が通りがかった時がありました。「ちょっと手伝ってみない?」とマネジャーに声をかけられて落ち葉集めを手伝ったのですが、様子を見ていたマネジャーが鷹之介に「タカ、春から私たちと一緒に働かない?」と声をかけてきたんです。本当にびっくりしました。

ビニールハウスで作業する鷹之介君
ビニールハウスで作業する鷹之介君(手前) 写真:八戸すずさん提供

 おそらく、農場クラスでの働きぶりや意欲を見ていて、子どもだけどボランティアになれるんじゃないかと、思っていたようです。落ち葉作業の様子で、鷹之介ならボランティアを大丈夫では、と思ってくれたようです。

 というのも、この農場では家族のボランティアを受け入れてはいても、13歳未満の子どものボランティアを単身で受け入れたことがなかったんです。いくら子どもが望んでも安易に参加させなかったのは、農場側にも「私たちは子守じゃない」という考えがあるからです。でも向こうから声をかけてくれたということは、鷹之介なら、大人のスタッフやボランティアと同じ立場で一緒に働いても大丈夫、と認めてくれたわけです。

 2016年3月から、ボランティアとして、平日の放課後や週末、夏休みは毎日、農場で作業しました。農場のスタッフも、鷹之介に任せると決めたからには、大人とほぼ同じことを任せていました。仕事の割り振りは年齢や性別ではなく、体のサイズで。