小学生の男の子が、アメリカの農場で大人に混じり、2年近く農作業のボランティアに励んだ。大好きなことにのめり込む楽しさ、任される喜びを知った男の子。その姿を見た家族は日本に帰国後、同じような時間が過ごせる場所を探した。

家、学校、友達、塾、学童、習い事。そのどれでもない、子どもの時間の過ごし方とは。多様な大人とかかわれる場所とは――。模索を続けた両親や、男の子を受け入れた大人たちに話を聞いた。

八王子市の磯沼ミルクファーム八戸さん家族(手前の4人)と磯沼ミルクファーム牧場主の磯沼 正徳さん=八王子市の磯沼ミルクファーム Photo:MASAKO KINKOZAN/HUFFPOST JAPAN

東京都の郊外に住む、八戸すずさん(43)、敏史さん(41)、小学6年の鷹之介(たかのすけ)くん(11)、1年の弓之介(ゆみのすけ)くん(6)の家族。敏史さんの研究留学に伴い、家族は2013年10月から2018年1月まで、アメリカのマサチューセッツ州ボストンの近郊で4年余り暮らした。

小学生男子が米国での農作業で開眼、他人と違う「生きる喜び」本記事はハフポスト日本版からの転載記事です

すず)住んだのが、トレイルや農場がいくつもあるような地域だったんです。その一つ「ライトロック農場」(マサチューセッツ州ウィンチェスター)が、子ども向けの農場体験コースを主催していて、鷹之介が通う小学校のお友達が参加していました。週1回から数回、鶏の卵を集めたり、野菜を栽培したり、ヤギの世話をしたりといった農作業や自然に関する知識を、スタッフに教わりながら数ヵ月の間取り組む内容でした。