ナンピン買いを
思わずしてしまう三つの理由

(1)「損失回避」~損をするのが嫌
 行動経済学の基礎的な考え方である「プロスペクト理論」によれば、人は誰もが「損失回避的」であるという。つまり損をするのが極端に嫌いなのだ。したがって、自分の買った株が下がった場合でも、損失は先送りしたいという心理が働く。見通しが違ったと思っても、すぐにあきらめて売ることができないのだ。

 そこで売るのではなく、しばらく様子を見る。その後、さらに下がると、「買値よりかなり安くなったのだから、買い増しすればいい!」といって、自分を納得させる判断をしがちになる。

(2)「参照点依存性」~自分の買値を基準にする
 プロスペクト理論のもう一つの考え方が「参照点依存性」といわれるものだ。人は「絶対値」でいいか悪いかの判断するのではなく、「元の数値(これを参照点という)」からの変化によって、心理的な影響を受けるといわれている。

 本来、売買の判断は、あくまでも現時点での株価が割高か割安かを基準に考えるべきなのだが、人は自分が買った値段を基準として、売りか買いかを判断しがちなのだ。つまり株価が下がった場合、自分の買値を参照点としてしまい、かつそれを絶対視してしまうから、下がったら割安になったと勘違いをしてしまうのだ。

(3)「認知的不協和の解消」~コストを下げれば安心 
 心理学には「認知的不協和」という考え方がある。自分が希望することと実態が合っていない場合に心の中で生じる不快感のことだ。それを解消しようと思っても事態が変わらない場合、自分の解釈や判断を変えることで心の折り合いをつけるのが「認知的不協和の解消」である。