右脳と左脳を、交互に使う。同時には使わない。
右脳で、直観的にインサイトを見つけ出す。アイデアを発想する。
左脳で、それが本当に正しいか論理的に検証する。多くの人と共有できるよう、論理構築をする。
右脳と左脳を交互に行き来し、インサイトを戦略的に活用できるよう、磨きをかけていきます。この行き来は、1ヵ月ごとといった比較的長い時間軸でも行いますし、1時間ごとといった短い時間軸でも行います。
しかし、いずれの時間軸の場合でも、交互に使い、「右脳と左脳を同時に使わない」ことが大事です。
なぜだと思いますか?
それは、「右脳」で何かを直観的に見つけよう、アイデアを発想しようとしているときと、「左脳」で理性的に評価するときを、明確に分けるためです。「発想」することと、「評価」することを同時にしてしまうと、頭の中でショートを起こしてしまうからなのです。
言い換えると、「発散」と「収束」のステージをはっきり分けるということ。「発散」というアクセルと、「収束」というブレーキを同時に踏むと、煙が出て動けなくなってしまうのです。
これは、ひとりの場合でも、組織で取り組む場合も同じです。
右脳モードと左脳モードの環境を用意してあげる
右脳と左脳を、交互に、しっかり分けて使う。
そのために、筆者が日常業務の中で行っていることを、ご紹介しましょう。
ワークショップでファシリテーターをしているときなどに、「いまから、発想のステージです。変なことを思いついたら、おもしろがって、そのまま書き留めましょう。あとで、評価をして絞り込む時間を持ちますから、いまは自分で自分のアイデアを評価しないで、自由に発想しましょう」というように、発想と収束のステージを明確に分け、いまはどちらに専念するかを宣言するのです。
そして、アイデアを発想しているときは、「こんなの思いついたけど、どうかな?」と、まわりの人の顔色をうかがわないように、つまり評価を気にしないように、言っています。
これは、グループワークに限ったことではありません。
ひとりで仕事をしているときにも当てはまります。
「右脳」を使ってアイデアを出すときは、「さあ、とんでもないアイデアを出すぞー」と言ってから発想する。
「左脳」でアイデアを評価するときは、「落とし穴がないか、ひとつずつチェックだ」と言ってから検証する。
自分自身にはっきり指示を出して、右脳・左脳がそれぞれ最大限の能力を発揮できる環境を用意してあげるわけです。
また、人にはそれぞれ、右脳が強い・左脳が強いといった偏りがあります。
右脳が強いアイデアマンだけど思いつきになりがちだったり、左脳が強い理論派だけどちょっと頭が硬めだったり。
しかし、いまからどちらの脳を使うか言ってあげると、意識して使うようになるので、右脳・左脳のバランスがよくなります。
ぜひ、みなさんも右脳と左脳を交互に使って、「インサイト」を見つけ出し、論理的な「戦略」を構築してみてください。きっと、成功率が格段に上がることでしょう。